韓国Samsungは、Android搭載スマートフォン「GALAXY S II」を6月23日より国内で発売。初動から売り上げを伸ばしており、NTTドコモのスマートフォンの代表格にもなっている。
今回、GALAXY S IIの魅力について、開発担当したバン・ヨンスク氏、ウォン・ジュンホ氏、リ・スクキョン氏、ジョ・チョルホ氏、東アジア担当Senior Vice Presidentのチョウ・ホンシク氏に話を聞いた。
GALAXY S IIのデザインコンセプトは、「日常の毎日、同じことの繰り返し、それを面白くできないか」というモチベーションから生まれたとヨンスク氏はいう。ハードカバーの本や手帳からコンセプトを得て、どうなったら軽く、スマートに見えるかという点からデザインしたそうだ。特に、光が当たったときにもっともスリムでスマートに見えるという形状を目指したという。
前機種のGALAXY Sと比べてデュアルコア化やワンセグの搭載などのスペックアップをしながら、厚さは約9.9mmから8.9mmに薄型化している。特に難しいのはカメラの設置だったそうで、設計の初期段階ではカメラが2mmほど飛び出ていた。「それでは美しく見えない」(ヨンスク氏)ため、内部基板の配置を改良したという。
端末本体は、ボディの左右にボタンが配置されている。これは「ブラインドコントローラー」といい、暗い場所でも手探りで操作できるように、左右で機能を振り分けているのだという。こういったボタン配置などは、専用の部署が設計をしていて、それを社内で標準化してデザインを決めているそうで、その標準化では、顧客からの声をもとに変更することもあるそうだ。
なお本体背面は、GALAXY Sではグリップ感が劣り、滑りやすいという意見が合ったそうで、GALAXY S IIではこれを解決するように工夫をしたという。また、日本モデルと海外モデルでカバーのデザインが異なる。日本は光沢のあるもの、海外はつや消しのタイプになっている。これは、グローバルでは背面パネルに指紋が付きやすいという声があり、GALAXY Sでは光沢ありのパネルを採用していたが、つや消しタイプに変更したのだという。しかし、日本版ではドコモ側からの要望もあり、光沢のあるクリアパネルを選択したそうだ。
画面デザインでは、「背景を暗くし、アイコンを明るくすることで視認性を向上させた」(スクキョン氏)ほか、Samsung独自の「Touchwiz UX」の流れは継承しながら、大きく4つのUIを進化させている。1つは「Live Panel」で、ホーム画面に張り付けたウィジェットの大きさが変えられるようになった。「Motion UX」は、センサーを使うことで、ボディを傾けるだけで拡大縮小、本体を裏返すと消音といった操作を実現。壁紙に設定することで設定した地域の天気を示し、壁紙が天気によって変わる「AccuWeather」の機能も搭載。「3D Effect」は、ホーム画面切り替えの際に3D表示で切り替わるようなUIとなっている。
画面が大きくなった反面、手の大きさが小さい人は操作しづらくなるのでは、という懸念に対しては、「液晶が大きくなったことでタッチする部分も大きくなり、操作しやすくなった面はある」(ヨンスク氏)としつつ、ホーム画面のページめくりに工夫するなど「これからもGALAXYシリーズは改善を重ねていく」(同)計画で、さらにアクセサリの開発も加え、さらに操作性を向上させていきたい考えを示している。
なお、GALAXY S IIで導入された4つのUXの変更点は、ソフトウェアアップデートでGALAXY Sに投入できるかどうか、検討中だという。