昭和電工は6月29日、エレクトロニクス分野向けに需要が伸びる高純度アンモニアの生産能力を、日本・台湾・中国の3拠点において引き上げることを発表した。

高純度アンモニアは、エレクトロニクス分野における材料ガスとして、液晶パネル(LCD)、GaN系LED、poly-Si系太陽電池、半導体などの製造工程で使用されており、同社では、今後の東アジア地区における市場拡大を視野に入れ、今回の生産能力増強を決定したという。

現状の生産能力は、日本の川崎事業所で1000t、台湾の台湾昭和化学品製造で1500t、中国の浙江衢州巨化昭和電子化学材料で500tの年産能力をそれぞれ有しているが、充填や貯蔵設備の増強、生産工程の効率化等の工事を行うことで、2011年末までに、日本で1500t、台湾で2500t、中国で1000tへとそれぞれ増強し、3拠点合計で現在の生産能力から2000t増となる年間5000t体制を構築する計画。

なお、同社は中期経営計画「ペガサス」において、高純度アンモニアをはじめとする半導体やディスプレイなどのエレクトロニクス分野で使用される半導体高純度ガスを成長・育成事業に位置づけ強化を図っており、今後も新規製品の開発や能力増強を進めて事業拡大を図っていくとしている。