日本ヒューレット・パッカードは6月9日、ストレージ製品のブランド名を刷新し、エントリー・ミッドレンジ向けディスクアレイ製品の新モデル「HP P6000 Enterprise Virtual Arrayファミリ」(以下、P6000 EVA ファミリ)を投入することを発表した。

ブランド名を刷新することを発表した日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 事業本部長の飯尾光國氏

HPのストレージ製品はこれまで、「HP StorageWorks」というブランド名で展開されていたが、これを「HP Storage」へと変更。その理由としては、3PAR、IBRIX、LeftHandなどの企業買収でストレージのポートフォリオを拡充してきたことを挙げたうえで、「そのポートフォリオをベースに、サーバ、ストレージ、ネットワークの相乗効果を高め、新時代に向けた仮想化ストレージ戦略を展開していくため」と説明されている。

新ブランドでは、「新たなイノベーションへのリリースを加速」、「キーテクノロジーの統合」、「ビジネス全体への適切な投資」を共通コンセプトとして掲げており、「IT全体の仮想化やクラウドサービスなど新ビジネスモデルへの適用」と、「アプリケーション統合や業務最適化など既存ストレージ資産の活用」の2つの活用領域にフォーカスして製品ポートフォリオを再編するという。

P6000 EVA ファミリを説明した日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 ストレージ製品本部 製品マーケティング部 部長の宮坂美樹氏

さらに同社は、HP Storageの第一段製品として「P6000 EVA ファミリ」を発表。今年3月に発表したP2000と昨年9月に発表したP9000の間に位置づけられる、対象範囲の広いミッドレンジの製品群として提供していく。

P6000の特徴としては、「使いやすさ」、「コストパフォーマンス」、「サポートソフトウェアの豊富さ」が挙げられている。

使いやすさという点では、EVA ファミリ共通の管理ソフトウェア「P6000 Command View」を搭載し、運用管理の効率化を実現。専任者でなくても管理が可能という。

また、コストパフォーマンスという点では、旧モデルに比べて価格を30%ダウン。さらに、2.5型SASハードディスクドライブを採用したことにより、電力を約40%削減、設置面積を約50%縮小したほか、最大ストレージ容量を480TBまで拡張し、パフォーマンスも約2倍に向上している。

ソフトウェアについては、Microsoft Exchange、SQL Server、SharePoint、Hyper-V、SAP、VMware、Oracleなどをサポート。今回のリリースに伴い、事業継続に適したアプリケーションとの連携も強化しているという。

なお、HPは、クラウドサービスなどをサポートするスケールアウト型NAS製品「X9000 ファミリ」の機能強化も発表。ストレージ容量を48TB、24TB、14.4TBから選択するできるよになったほか、ハードウェアのプラットフォームの刷新により性能を50%向上。さらに、CIFS/NFSクロスプロトコルのサポートを強化し、ストレージの使用状況が一目でわかるモニタリング機能も追加サポートしている。