2010年国内ディスクストレージ市場、前年比減もNASとiSCSIは高成長

IDC Japanは5月16日、国内外付型ディスクストレージシステム市場の2010年の実績を発表した。これによると、2010年の国内外付型ディスクストレージシステム売上は、全体では前年比1.6%減となったが、ネットワークストレージは同8.0%増となった。

同社によると、世界的な経済後退を背景に2009年の国内外付型ディスクストレージシステム売上は前年比20%以上落ち込んだが、2010年の売上は1,687億6,900万円で前年比1.6%減となった。2010年の売上が前年に続きマイナス成長となった要因としては、メインフレーム向けディスクストレージの売上が前年比13.9%減となったことが挙げられている。オープンシステム向けディスクストレージの売上は同1.8%増と、前年のマイナス成長からプラス成長に転換した。

接続環境別では、SANとNASを合わせたネットワークストレージの売上は1,075億8,400万円で前年比8.0%増となった。そのうちNASは19.3%増、iSCSIは76.9%増と高成長を達成した。NASが高成長した要因としては、NASの利用用途がファイル共有に加えてバックアップ、アーカイブなどにも広がっていること、2010年はサービスプロバイダー市場での導入が活発に行われたことが挙げられている。

iSCSIの成長要因としては、サーバの仮想化環境で利用されるネットワークストレージとしての需要が拡大していること、それに伴ってコスト面や導入の容易さからiSCSIを導入する企業が増加していることがある。さらに、iSCSI市場で出遅れていたストレージベンダー各社がiSCSI製品の強化を進め始めていることも成長要因の1つだという。