日本ヒューレット・パッカードは5月12日、インテル Xeon プロセッサー E7 ファミリー搭載のHP ProLiantサーバ3機種を発表した。最大10コアのXeon E7のサポートに合わせて、最大メモリ搭載容量を従来の2倍となる2TBまで拡張。信頼性を向上させる新機能も搭載し、仮想化環境を安心して運用できるサーバとしてリリースしている。

HP ProLiant BL620c G7

HP ProLiant BL680c G7

HP ProLiant DL580 G7

今回発表されたのは、2Pブレード型サーバ「HP ProLiant BL620c G7」、4Pブレード型サーバ「同 BL680c G7」、4Pラックマウント型サーバ「同 DL580 G7」の3モデル。Xeon E7により、最大40%の性能向上が見込まれ、MCS RecoveryやIntel AES-NI/TXTなどの信頼性向上機能が有効になる。加えて、DDDC(Double Device Data Correction)/オンラインスペアメモリ/ミラーメモリといったメモリ保護技術、標準搭載の10Gb CNA、省電力DIMM/高効率電源ユニットなどにより、高信頼、高性能、省電力を実現している。

新モデルの主な特徴

メモリ保護機能

メモリに関しては、BL620c G7が32スロット、BL680c G7とDL580 G7が64スロットを搭載。32GBのDIMMを新たに提供するため、BL620c G7で最大1TB、BL680c G7/L580 G7で最大2TBをサポートする。また、ネットワークについては、BL620c G7が10Gb CNAを4ポート、BL680c G7が10Gb CNAを6ポート搭載しているうえ、同社のVirtual Connectと組み合わせることで各ポートを最大4ポートに分割できるため、それぞれ16ポート、24ポートにまで拡張することができる。

日本HP インダストリスタンダードサーバー製品本部 本部長の橘一徳氏

日本HP インダストリスタンダードサーバー製品本部 本部長の橘一徳氏は、こうした特徴を紹介したうえで、「国内には、4P以上のハイエンドサーバに抵抗感を抱くユーザーが多いが、サポート料、電力使用料、ソフトウェア費用などを考慮すると、2Pサーバを複数設置するより、4P以上の高性能なサーバで集約したほうがトータルコストは低くなる」と説明。今回のリリースで信頼性がさらに向上したことも挙げ、「プライベートクラウドなどを構築する際には、ぜひハイエンドサーバを検討してほしい」とコメントした。

また、日本HPは今回の新サーバに併せて、VMware管理ツールのOEM販売を開始することも発表。クラウド環境のセルフサービスポータルを提供する「VMware vCloud Director」、マルチテナント環境においてテナント間のセキュリティを確保する「VMware vShield」、仮想化環境のキャパシティ管理を実現する「VMware vCenter CapacityIQ」をHP BladeSystem Matrixなどと組み合わせて販売していく。さらに、同社のITサービス部門で「VMware vCloud Director導入支援サービス」もメニュー化し、構築から保守までをワンストップで提供していくという。