パソコンのwebブラウザのようなルック&フィール

4月21日には待望のメジャーバージョンアップを行い、バージョン2.0.0が公開された「iLunascape Lite for iPhone」は、パソコン用のWebブラウザを提供するLunascapeが開発したiPhone用のWebブラウザである。「InReach」と称するインターフェースは、よく使う機能やボタンを親指が届く画面の下方に集約し、使用頻度の低いアドレスバーや設定ボタンを画面上方に配置しており、片手での操作感を高めることを意識したものとなっている。

本アプリの最大の特徴は、6つまで同時に表示可能なタブ機能だろう。iPhone標準搭載のWebブラウザ「Safari」でのタブ機能は、ボタンをタップすることで別画面に入って切り替えを行うのだが、本アプリでは現在表示しているwebページと同じ画面上にタブが表示され、指でなぞることによって、次々と切り替えることが可能となっている。これにより、パソコンのブラウザでタブを切り替えるのと同じ感覚で閲覧ができるのだ。一度読み込んだwebページはそのままデータを保持するので、「Safari」のようにタブを切り替えた際、再びデータを読みに行くといったことはしない。タブをなぞって、次々に閲覧できる理由はここにある。

デフォルトでのホームページ。各種検索やニュースの閲覧が可能

最大で6つまで表示可能なタブ。タブをなぞって次々にページを移動できる

「メニューバー」をタップすると表示される各種ボタン」

タブの追加はバーの左にある「+」ボタンで行い、削除は右側の「×」ボタンで行う。一度、追加したタブは、アプリを終了する際に記録され、再起動した時に同じタブを読み込むようになっている。また、検索結果を新規タブで表示したり、ブックマークの新規タブでの表示、現在表示しているページのリンクを長押しすることで「新しいタブで開く」「バックグラウンドタブで開く」メニューを表示するといったことも可能。

webページを閲覧する際、タブバーにアドレスバーが存在することで、表示領域をわざわざ狭くしているような印象を受けるかもしれない。しかし、この辺りはフレキシブルな構造になっており、表示/非表示がワンタッチで行えるようになっているのだ。やや小ぶりなiPhoneの画面を最大限活用できるような工夫がなされている。

タブバーとアドレスバーは表示/非表示の切り替えが必要に応じてワンタッチで行える

次に、ブックマーク機能を見てみよう。ブックマークの追加は画面下方のメニューバーにある「ブックマーク」ボタンを押し、表示されたブックマーク一覧の画面下方の中央にある「ブックマークを追加」から行うか、画面上方のアドレスバー左にある星型のボタンで行う。星型ボタンを押した場合、「ブックマークに追加」と「ホームに設定」メニューが表示されるので、表示しているwebページをアプリ起動時のホームにすることもできる。ブックマークはフォルダによる管理が可能だ。ブックマークレットにも対応しているのでブックマークを選べば埋め込まれているプログラムが起動する。

「ブックマーク」ボタンを押し、画面下方の中央にある「ブックマークを追加」でブックマークが追加される

星型ボタンを押すと「ブックマークに追加」と「ホームに設定」メニューが表示される

また、パソコン用に提供されている「Lunascape」あるいは「Firefox」とのブックマークの共有が可能である。パソコンで登録したブックマークを本アプリにインポートすれば外出先でも同じページをチェックできる。本アプリはFirefox Sync互換となっており、インポートには暗号化された「同期キー(Sync Key)」を使って行う。

「ブックマーク」ボタンを押し「オンライン」の項目を押すと現れる「オンラインブックマーク」の画面。ここで「ログイン」ボタンを押し、入力画面に移動する

「ログイン」画面で必要事項を入力する。ここでの入力の前に、同期するパソコンのwebブラウザの設定が必要

各項目を入力して「接続」を押すと同期が始まり、パソコンで使っているwebブラウザのブックマークが読み込まれる

続いて、SNSなどの各種ウェブサービスや他アプリとの連携をチェックしていこう。

まず、Facebook、Twitterとは、現在閲覧しているwebページのURLを投稿することでの共有が可能だ。投稿は「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「Facebook」または「Twitter」のボタンをタップして行う。初回起動の際、Facebook、Twitterともにアカウントの設定が必須なので、各IDおよびパスワードを用意しておこう。

またiPhone標準搭載のメールでも、同様に閲覧中のwebページのURLを送信できる。こちらも「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「メール」ボタンをタップする。

「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「Twitter」をタップすると、アカウント上を入力するページが表示される

同様に「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「Facebook」をタップして

「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「メール」をタップすると送信画面が現れる

バージョン2の新機能

今回のアップデートでは、閲覧したwebページを保存し、あとから読むことができるという、webページを管理するためのwebサービス「Read It Later」との連携機能を搭載した。これにより、現在閲覧しているwebページを「Read It Later」へと追加できる。

もうひとつ、今回のアップデートで追加されたのはオンラインストレージサービスのDropBoxとの連携機能だ。Webページ上のイメージ画像の保存や閲覧中のページをキャプチャして画像として保存できる機能は以前より搭載されていたが、今回のアップデートでPDFやhtmlの保存が可能となった。これらのデータは「ファイル」に格納され、「ファイル」項目からDropBoxへのアップロードができるようになった。

「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「Read It Later」をタップすると、閲覧中のwebページを「Read It Later」に追加できる

同様に「メニュー」バーをタップし、ポップアップしている「ファイル」をタップして扱いたいファイルを選ぶ。DropBoxへのアップロードも可能

そのほか、Cookie、キャッシュ、履歴の消去機能、iPhone 3Gユーザーには嬉しい画面の回転を固定する機能、ユーザーエージェントの切り替え機能などを搭載する。

まとめ--「Lunascape」ユーザー以外にもお勧め!

iPhone用のwebブラウザも選択肢がいろいろと増えている中、本アプリはまず「Lunascape」か「Firefox」のユーザーにお勧めしたいというのはもちろん、各種webサービスとの連携を重視する人にも勧めたい。インターフェースのルック&フィールがパソコンのwebブラウザに近いというところも、選択する大きなポイントのひとつと言えるだろう。

対応モデルは、 iPhone、iPod touchおよびiPad互換、OSはiOS 4.0以降、ジャンルはユーティリティ、アプリサイズは3.1MB、対応言語は 日本語、中国語、英語、フランス語、ドイツ語、スウェーデン語、執筆時のバージョンは2.0.0。