日本銀行は11日、2011年4月の地域経済報告(さくらレポート)について発表した。これによると、景気情勢についての地域別の総括判断で、東北で「震災により、太平洋側を中心としたきわめて広範な地域が被災し、社会インフラ、生産・営業用設備の棄損が生じたことから、経済的にも甚大な被害が生じている」とするなど、7地域で景気判断を下方修正した。

今回の地域経済報告は、11日開催の日本銀行支店長会議に向けて収集された情報をもとに、支店など地域経済担当部署からの報告を集約したもの。

これによると、全国9地域のうち、近畿、四国を除く7地域(北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海、中国、九州・沖縄)で景気判断を下方修正。東北では、前回(2011年1月)の、「製造業を中心に改善の動きに一服感がみられるものの、全体としては持ち直している」から、「これまで持ち直しの動きを続けてきたが、震災により、太平洋側を中心としたきわめて広範な地域が被災し、社会インフラ、生産・営業用設備の棄損が生じたことから、経済的にも甚大な被害が生じている」に下方修正。

関東甲信越では、前回の「緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられる。また、地理的および業種間のばらつきも残存している」から、「震災の影響に伴う生産活動の大幅な低下等から厳しい状況にある」に下方修正された。

また、北陸では、前回の「持ち直しの動きが弱まりつつある」から、「震災の影響の広がりから、このところ停滞感がみられており、企業の業況感や家計のマインドが慎重化している」に下方修正。北海道でも、前回の「持ち直しを続けているものの、このところ足踏み感もうかがわれる」から、「足もと、震災に伴う一連の影響から下押し圧力がみられる」に下方修正された。