加Nortel Networksは4月4日 (現地時間)、無線・有線のデジタルコミュニケーション技術を幅広く含む特許ポートフォリオを競売すると発表した。対象特許数は、およそ6,000件。カナダと米国での監督機関の承認を経て、2011年6月にオークションを開催する計画だという。なお、同ポートフォリオに対して米Googleが現金9億ドルでの買収を提示しており、これを買い手候補とするStalking Horse Sale Agreementを同社と結んだことを合わせて発表した。

Nortelは2009年1月にカナダと米国で破産法の適用を申請し、その後、事業ごとの売却を進めてきた。今回オークションにかけられるのは、同社に残された全ての特許と申請中の特許で、ワイアレス、ワイアレス4G、データネットワーキング、オプティカル、音声、インターネット、サービス提供、半導体など多岐にわたる。「広範囲に及ぶ特許ポートフォリオは、テレコミュニケーションのあらゆる分野に加えて、インターネット検索やソーシャルネットワーキングなど関連する市場にも影響する」(Nortel)という。

スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスには、通信・モバイル、インターネット、コンピュータ、半導体など幅広い分野の技術が凝縮されている。急成長中の同市場では今、競争の激化が参入企業同士の分野を超えた訴訟合戦に発展しており、そこで勝ち残るためにはクロスライセンス交渉を有利に進める必要がある。テレコミュニケーション技術を核とするNortelの特許ポートフォリオは、特にGoogleやAppleなど携帯電話で後発の企業にとって大きな価値を持つ。Nortelの特許売却に関して、GoogleのKent Walker氏は「皮肉なことに (特許)訴訟に対する最も有効な武器は強力な特許ポートフォリオであり、これによって新しい製品やサービスを開発するための自由が維持される」とコメントしている。

Googleが提示した現金9億ドルは、“stalking-horse bid"としてオークションの最低落札額に設定される。過去の例ではNortelの企業向けソリューション事業に対して、オークション前にAvayaが4億7500万ドルを提示。最終的に同社が9億ドルで落札した。