いつも頼んでいるカフェラテ。しかし、カプチーノとの違いをきちんと把握している人は意外に少ないかもしれない。「この豆、アラビカだよね」と語る人の中にも、アラビカとロブスタの違いをはっきりと把握している人も多くはないだろう。ここでは、コーヒーの常識+αを解説していきたい。

カフェラテとカプチーノの違い

カフェラテとカプチーノといえば、エスプレッソ系の中でも特に人気のドリンク。その違いは、簡単にいえば"泡"の量である。泡とはフォームドミルクのことで、共にエスプレッソ、フォームドミルク、スチームドミルク(温めたミルク)でつくる。しかしカフェラテはスチームドミルクが多く、フォームドミルクは少なめ。カプチーノはスチームドミルクとフォームドミルクが同程度の量を使っていることが多い。なお、カフェラテはシアトル系、カプチーノはイタリア系カフェの代名詞ともいえるメニューなのだが、このあたりの境界線はあいまいで、シアトル系カフェでもカプチーノを見かけることが多くなってきた。

「スターバックス コーヒー」のラテ(左)とカプチーノ(右)。見た目ではわからないかもしれないが、飲んでみるとその違いは歴然

ちなみに、ドリップコーヒーとミルクを合わせたものも読み方が何種類かあり、皆さんお馴染みなのカフェオレ。こちらフランス式で、スペイン式だとカフェコンレチェとなり、蜂蜜入りのものも多く見かける。そろそろマニアックな話になってきたので次にいこう。

シアトル系カフェ、イタリア系カフェって?

先ほど、シアトル系カフェとイタリア系カフェという言葉を使ったが、この違いは何だろうか。アルファベットで書くと、前者は「cafe(カフェ)」、後者は「caffe(カッフェ)」であるが、イタリア系でも「cafe」と表記する場合が多く、これだけでは見分けが付かないだろう。メニュー構成を見ていても違いがわかる場合もあるが、実はひと目でわかるポイントが1つある。それはエスプレッソマシンの位置だ。

門脇洋之さんのカフェ、島根・安来の「CAFE ROSSO」。エスプレッソのルーツであるイタリアに渡り、バール行脚をしたという門脇さんのお店では、カウンターの後ろにエスプレッソマシンが

シアトル系はカウンターに背を向けて置かれている。反対にイタリア系はカウンター後ろに置かれており、マシン正面が見える。作業中は前者がバリスタの顔が見え、後者はバリスタの背中を見ることとなる。スペースの都合等でこの限りともいえないが、原則はこうなっている。