ニコニコミュージカルを通じた震災復興義援金について

本インタビュー記事は2011年2月下旬の取材に基づくものです。ニコニコ動画を運営するドワンゴによるニコニコミュージカル第3弾『ニコニコニーコ』は、2011年3月17日(木)より全16公演が予定されており、ネット視聴用チケット(1公演800円)の売上は、東北地方太平洋沖地震の被災地復興義援金として寄付されます(ネットチケットは2011年6月30日まで販売、タイムシフト再生も可能)。詳細は公式サイトをご覧ください。また、このほかにドワンゴが実施している募金活動は「ニコニコ募金」で確認できます。

3月17日(木)から10日間にわたる公演が予定されているニコニコミュージカル第三弾『ニコニコニーコ』。風変わりなタイトルのこの舞台、いったいどんな作品なのだろうか。公演直前の稽古場にお邪魔し、主演のニーコと明坂聡美に意気込みやニコニコ動画についての話を伺った。

ネット観劇も楽しめるニコミュ。第3弾となる『ニコニコニーコ』の主役を演じるニーコ(左)と明坂聡美に舞台の魅力を教えてもらった!

──間もなく公演が始まりますが、『ニコニコニーコ』はどんな舞台になるのでしょうか

ニーコ 今回の舞台は出演者全員が女性で、なおかつすごくファッショナブルでロックで……女の子が頭の中で憧れている世界がそのまま舞台になったという感じです。普段舞台を見ないという人に、ぜひ最初の舞台として見てほしいですね。

明坂 今回出演者が女性11人ということで、それだけいると普通の舞台だと人間関係図が難しかったりするので見るのに構えなきゃいけないところもあるんですけど、『ニコニコニーコ』はあらすじもわかりやすいですし、価格的にもニコニコ動画で中継するという点でもすごく見やすくなっていると思います。小学生から大人の方まで幅広く楽しんでいただけますよ。

──ストーリーですが、ニーコさん演じる宇宙人プリンセス・ニーコが地球にやってきて、明坂さん演じるオタク少女・アケコの家に居候して声優になるという、かなり個性的なものになっています。それぞれの役について教えてください

ニーコ "ニーコの半生を描く"が主題の舞台なので、大筋としてはプリンセス・ニーコは自分自身なんですよ。それをもうちょっとファンタジーにデフォルメして、みんなが見ていて楽しいニーコ像を作っている感覚ですね。

──ファッションも個性的ですよね

ニーコ 声とか衣装とか、それって外面的な部分の話ですよね。でもニーコという人間の内面はすごく泥臭くて、関西のおばちゃんの成り上がり人生みたいな感じ(笑)。それを演技として出していけたらなと思っています。

明坂 わたしはオタク少女ってことなんですけど、(湯澤さんに)「半分くらいは当て書きだから」って言われて、当て書きでわたしはオタク少女なのか……ってちょっといろいろ考えたんですけど(笑)。でもたしかに偏った知識があって、そこだけ深くしていく部分がわたしにはあるので、よく見られているなって思いました。

ニーコ 今回はみんなそういう"それぞれにしかできない役"なので、埋もれている人が誰もいないんですよ。

──今回は公演回数もかなり多いですよね

ニーコ 15回ですね。

明坂 10日間やるのは初めてだから体力がもつのか不安で(笑)。普通は一週間とか5日間くらいなので。

ニーコ ニーコは舞台がまったく初めてなので長いのか短いのかもわからないです(笑)

──いきなりハードですね

ニーコ これまで前に出るのってライブでしかなくて、それって最大で2日間だったんですよ。

明坂 そこはみんなで励まし合って、途中で気持ちが切れないようにしないとですね。

──脚本・演出・音楽を手がける湯澤 幸一郎さんはどんな方なのでしょう

ニーコ ニーコは『マグダラなマリア』に一度ゲストで出させていただいたことがあるんです。それまではどっちかっていうと舞台はそんなに見るほうではなかったんですけど、でも湯澤さんの作る世界観はすごく好きで、今回はもう大船に乗った気でいます(笑)

明坂 湯澤さんの舞台は見たことはなかったんですけど評判だけは聞いていて、どんな舞台を作る方なんだろうって思っていました。今回やってみて感じたのは、台詞のアプローチの仕方なんかがすごく特殊だということ。わたしたちが声優であることならではのテンポで作られていて、見ていて気持ちがいい演出なんです。これはたぶん湯澤さんが声優も俳優も演出もやっているからこそなんだと思います。

──ミュージカルということで、歌も注目されています

ニーコ ライブだったらニーコが歌いたいように歌うんですけど、今回はニーコ役とはいっても一応別物なので、そこはプリンセス・ニーコはこう歌うだろうなっていう歌い方になっていますね。

明坂 今まではキャラクターソングの歌い方だったんですけど、今回はわりと素に近いですね。本気の歌唱力を問われているので、息が続かなかったりとかまだまだ練習が足りないなっていうところがいっぱいあります(笑)

──その成長も舞台の楽しみの一つですよね。そして今回も全公演がニコニコ動画で中継されます

ニーコ すばらしいことだと思います。なぜかというと、ニーコのファンの中でも親が厳しかったりお金がなかったりしてイベントに来られない人って絶対にいるんですよ。そういう子たちが見られるっていうのはすごく画期的だなと。

──第一弾『クリスマス・キャロル』、第二弾『ニコニコ東方見聞録』ではそれぞれ視聴者が5000人にもなったそうです

ニーコ すごい!

明坂 見てもらうために作っているので、たくさんの方に見てもらえて反応が直に返ってくるのがすごくうれしいですね。

──反応がダイレクトなのはニコニコ動画ならではですよね

ニーコ ラジオとかで生放送でないと、自分がしゃべったことを1ヶ月後とかに聞いたりするんですけど、それって自分の中では1ヶ月経っているのでお客さんとのギャップが出ちゃうんです。そういう意味ではニコニコ動画っていいなぁと思います。

──普段ニコニコ動画やニコニコ生放送はご覧になるのでしょうか

ニーコ ニーコはあまり生放送は見ないですね。動画のほうで"やってみた"系とかは一通りぜんぶ見てますよ。あとはエンタメとか料理なんかも。

明坂 わたしは"やってみた"はあまり見ないんですけど、ランキングで上位になっているものだったり、あとはヒャダインさんの動画はすごく好きですね。それと自分の生放送はタイムシフトして後で見返しています。真顔になるシーンがあったりすると、「あーもっとがんばらきゃ」って思ったり(笑)

ニーコ コメントって良いのもあるし悪口もあるんですけど、それがリアルでいいなぁと思いますね。

──最後に見どころやファンへのメッセージをお願いします

ニーコ さっきも言いましたが、とくに中高生の子に見てほしいです。というのは、その頃が一番思春期で、一番将来が見えなくて、でもやりたいことはいっぱいあるっていう時期だから。ニーコもそれを体験してきて、思春期の頃に刺激を受けたものが今の自分を作ってくれているんですね。その大事な時期の作品として、ぜひこの舞台を見てもらいたいです。

明坂 個性的なキャラクターで、わかりやすいストーリーで、誰が見ても面白いと思える作品です。会場のキャパ自体はそんなに大きくないので、きっとどこから見てもわたしたちの表情が見えるし、ニコニコ動画でもアップの顔が見えたりします。ぜひ会場にも足を運んでいただいて、その後にニコニコ動画でも見ていただきたいですね。

※本インタビューは2011年2月下旬に行なわれたものです。

ニコニコミュージカル第3弾『ニコニコニーコ』

公演スケジュール:2011年3月17日(木)~3月27日(日) 全16ステージ 場所:シアターグリーン リアルチケット価格:2,500円(前売り・当日) ネットチケット:1公演800円(ネット視聴は当該公演をリアルタイムで鑑賞することができますが、お好きな時間に再生することも可能です) 詳細はこちら。