Transphorm

2月23日(米国時間)にGoogleから3,800万米ドル(31億円強)の資本金の獲得を発表したベンチャー企業Transphormに関しては、複数のメディアがその内容を発表した。TransphormはGoogle Venturesらが出資を計画していることは数年前から発表されていたが、どういった内容の事業なのかは謎に包まれていた。発表された内容によれば、Transphormは窒化ガリウムをベースとした半導体技術を駆使して、超高効率の電力変換デバイスを開発する企業ということになる。

現在主流の半導体はシリコンをベースにしたもの。シリコンに代わる材料のひとつに窒化ガリウムがある。これまでは期待する性能を得ることができなかったが、研究開発の結果、窒化ガリウムを活用したデバイスが登場しつつある。特に近年、青色LEDの開発で培われた技術発展が大きく貢献したといわれている。

Transphormは窒化ガリウムベースの半導体を活用して効率の優れた電力変換デバイスを開発する企業ということになる。このあたりの話題がTechnology ReviewのEliminating the Laptop Charging Brickにわかりやすくまとまっている。説明によれば、同社の技術は変換時に消失される電力量を減らすことができるのみならず、デバイスのサイズをきわめて小さくできるという。たとえば現在ノートPCの多くはAC-DCコンバータを電源ケーブルに搭載しているものが多いが、Transphormの技術を活用するとこれを排除し、ノートPCに内蔵することが可能になるとみられる。

Transphormと同様に窒化ガリウムをベースとした電子デバイスを開発している企業はほかにもある。Transphormは近いうちにプロダクトを発表するとしており、今後の動向が注目される。