日本マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

「日本法人設立から25周年、そして社名変更、オフィス統合という節目のときに、マイクロソフトにいることができてうれしく思う」 - 2月1日、マイクロソフトは「日本マイクロソフト株式会社」に社名を変更、7日から業務を開始する品川の新オフィスにて、同社代表執行役社長の樋口泰行氏が会見を行い、社名変更に込めた思い、そして日本法人設立から25周年を迎えるにあたっての抱負を語った。

社名に"日本"を付けた理由

「日本マイクロソフト」という社名には、米国に本社を置くグローバルカンパニーでありながらも、日本の社会と顧客に貢献するいち日本企業として日本にコミットしていきたいという思いが込められている。樋口社長が提唱する"Higuchi Vision"には

  • 日本社会への貢献
  • 日本の競争力強化をITで支援
  • 日本発の人材育成
  • 日本市場に見合ったクラウドの展開
  • 日本品質のグローバル展開

という5つの項目が掲げられている。樋口社長は「マイクロソフトの社長になる前から、この会社がもっと日本市場と親和性を深めていけばいいのに、と思っていた。日本でビジネスをするからには、日本人に尊敬され、日本社会に貢献する存在にならなければならない。社名に"日本"を付けることで、この思いをさらに徹底させていきたい」と語る。より日本社会にシンクロナイズする企業に - 社名変更の一番の理由はそこにある。

樋口社長が掲げる5つのHiguchi Vision

Microsoftは世界各国に現地法人を抱えている。「英国であればMicrosoft UK、フランスであればMicrosoft Franceと、現地法人が社名に国名を掲げているところは多い。日本マイクロソフトという社名変更はグローバルの戦略にもあっている」(樋口社長)

新社屋に社員が集約、"One Microsoft"への一体感

日本マイクロソフトは2月7日から、東京・品川の新オフィスにて新たに業務を開始する。大手町のテクノロジーセンターと調布の技術センターを除く、都内5カ所に散在していたオフィス機能がほぼ品川に集約されることになる。JR品川駅港南口からほど近い、品川グランドセントラルタワーの19階から31階までが、約2,500人の従業員の新しいホームグラウンドとなる。

「これまで社員は月間5,500回もオフィス間を移動していた。移動コストのムダに加え、一体感の阻害やコミュニケーションの悪化など、マイナスの側面が大きく、マイクロソフトの懸案となっていた」と樋口社長。今回のオフィス移転で大幅な改善が期待できるとしている。

品川はパートナーや顧客との往来にも便利な場所である。「NECや富士通といった重要なパートナー、さらには大きな顧客の7 - 8割がこの地域に集中している。これまでマイクロソフトは"顔が見えにくい"と言われてきたが、ここ品川に拠点を移すことで、お客様やパートナーにとって、より近い存在になっていきたい」(樋口社長)

新しいオフィスの社員食堂は"One Microsoft Cafe"と呼ばれる。ひとつになったマイクロソフト - それは社員が一丸となるということであり、顧客やパートナーと同じ温度、同じ目線で仕事をするということを指す。従業員、顧客、パートナー、この三者のより密な関係をここ品川にて深めていきたい構えだ。

日本法人設立から25年、日本企業として新たなスタートを切った日本マイクロソフト。樋口社長は就任から3年が経過するが、これまでを振り返り「良いモメンタムを形成できた」と自負する。社名変更と新社屋移転を経て、同社のイメージはどう変わっていくのか、引き続き注目していきたい。

30階と31階は顧客のためのフロア。30階はコンシューマビジネス向けで、ポップでやわらかいイメージ。マウスやキーボード、Windows Phoneなども展示されている。同社が提唱するライフスタイルのショウケース的なコーナーも随所に見られる

31階はエンタープライズビジネス用。近未来的なオフィスのイメージで、ミーティングルームなどはすべてガラス張り。大型スクリーンのデジタルサイネージも展示されている。窓の外には超高層ビル群がひろがる

社員食堂を含む19階は社員の憩いのフロア。One Microsoft Cafeのロゴは社内公募のデザイン

広々としたカフェテリア。ランチの時間を過ぎると、カフェメニューが充実するらしい

ビリヤードで休憩中。フロア内はどこにいても無線LANを利用することができる。壁の一部はチョークボードになっており、プレゼンや思いついたアイデアをいつでも書き留めることが可能

サービスカウンターやヘルプデスクも19階に設置されている。コピーの依頼やマシンのトラブルはこちらへ

2階にある日本マイクロソフト専用の受付。受付嬢は当然ながら美人さんでした

2階には、一般の人も入ることができるMicrosoftショップがある。マウスやUSBメモリなどのほか、Microsoftロゴが入ったさまざまなグッズを購入できる