「若ナビ ココロすっきりトークイベント」に登場した真矢みきさん

東京都が開設する18歳以上の若者を対象とした総合相談窓口「東京都若者総合相談(・э・)/若ナビ」(以下、若ナビ)をより大勢の人に知ってもらおうと、「若ナビ ココロすっきりトークイベント」が25日、新宿ステーションスクエアにて開催された。若ナビのイメージキャラクターを務める女優の真矢みきさんが登場。悩みの解消方法などについて語った。

主催は東京都。若ナビは、人間関係の悩みや心理的な不安、孤独などのもやもやした悩みを電話やメールで無料相談できるサービス。2009年7月に開設以来、約1万件の相談を受けているという。2009年7月31日から2010年12月31日までの相談実績(速報)によると、性別は女性が49%、男性が51%とほぼ半々。年齢は20代(51%)が最も多く、次いで30代(26%)、10代(12%)、40代以上(11%)の順。相談内容は「自分のこと」(62%)が飛びぬけて多く、「対人関係」(13%)、「仕事のこと」(10%)、「家族関係」(9%)と続く。

直接会って相談したい人向けに、1月24日(月)から3月5日(土)にかけて、上野駅/有楽町/吉祥寺、または三鷹駅近くのカフェにて行われる『相談員派遣型面接』(愛称 : ココロすっきりカフェ)も行われている。参加するためには、事前予約制で希望日の3日前までに電話、パソコン、または携帯電話で申し込む。相談料は無料(カフェまでの交通費及び相談者自身の飲食代は自己負担)。詳細はこちら

イベントに登場した真矢さんは、仕事仲間や友達、後輩から相談をよく受けることを明かした上で「難しいことは当事者しか分かりませんが、時間を割くことが一つの表現かなと思っています。その時間を共有するだけで随分変わってくることもあります。 (相手の悩み解決のために自分の)時間を、人生の微々たるものではありますが、提供することが大事だと思います」と相談された時の対処方法について語った。悩みの解消方法を聞かれると「今は『考えて仕方ないことだったらやめる』、『考えるべきで明日進むべきだったら考える』の2つに分けて、考えるべきではなかったら忘れる努力をしています」と話した。

ステージ上では、真矢さんが1日相談員になって、これまで実際に寄せられた悩みに答えるというコーナーも実施。「仕事量が多くて毎日追われている。休みの日も仕事の事が頭から離れない(33歳・会社員・男性)」との質問には「自分の存在が必要とされているということを頭の根底において、すごく忙しい時は明日のことを考えずに、今目の前のことだけに集中して、家で開放された時間には考えない。自分の中でけじめ、時間割を作ってあげることが大事」とアドバイスを寄せた。

また、「自分に自信がなく、就職できる気がしない。でもお友達は就職活動のライバルで悩みを話す相手がいない(20歳・専門学校生・男性)」という悩みには、「家族や就職のカウンセラーに相談してみるのも手ではないでしょうか。就職って人生の中で大転換期、こないだまで勉強を習ってきた子たちが急に社会にポンって出されるのは怖いもの。私も悩みましたし、何していいか分からなかった。時間をゆっくりかけて、消去法でもいいと思います。それと、あまりお給料がなくても大丈夫と思えるほど楽しいと思える仕事は、天賦というか向いている職。それが見えたときに進む努力をしてもらえたら」と語りかけた。

同イベントには、「若ナビ ココロすっきりトークイベント」監修・アドバイザーの田村毅氏(児童精神科医 東京学芸大学教育学部 教授)も登場。若ナビの相談状況について語った。男女比がほぼ半々である状況に田村氏は「誰かに相談するというのは女性が得意。男性はあまり(相談件数が)多くないのが一般的だが、若ナビは男性も多い傾向にある」と指摘。相談内容としては「"もやもや"なので、どんな悩みでもいいんです。こんなこと言ったら怒られるということは全然なく、丁寧にお話をお伺いします」とのこと。相談体制は「研修を積んだ相談員がたくさんおります。何かアドバイスをするというより、若者の皆さんは既に答えが心の中にあるので自然と見えてくると思います。匿名で秘密も守られます」と話した。最後に田村氏は「"もやもや"は一人で悩んでいるとなかなか解決しない。話を聞いてくれる誰かがいれば何とはなしに"もやもや"は晴れていくもの。そうやって次のステップにいくエネルギーが沸いてくると思います。遠慮することなく是非相談してみてください」と呼びかけた。