日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏

日本オラクルは1月24日、企業アプリケーションのクラウド運用を促進するハードウェアソリューション「Oracle Exalogic Elastic Cloud X2-2」の受注を開始した。Exalogicは昨年9月に米サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2010にて、Oracle CEOのLarry Ellison氏みずからが発表したミドルウェアマシン。データベースマシンの「Oracle Exadata Database Mashine」の成功にもとづいて設計されたもので、日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏は「Exadataと同様、オラクルだけが提供できるハードとソフトの融合が完璧に行われたマシン。Exalogicで、またはExadataと組み合わせることで、ユーザは"作らないITシステム"を1ボタンで実現することができるようになる」としている。

Oracle Exalogic Elastic Cloud X2-2は、Exalogicソリューションのうち、最初に日本で展開されるシリーズで、2.93GHzのIntel Xeonプロセッサを搭載、OSにはOracle Linux 5.5またはOracle Solaris 11 Expressを選択できる。構成ラインナップはクオータラック、ハーフラック、フルラック、マルチラック(2 - 8)となっており、シームレスな拡張が可能だ。

クオータラックからはじめて、マルチラックまでシームレスに拡張できるExalogic。最小構成のクオータラックで、CPUは96コア、SSDフラッシュ容量は256GB、RAM(1,333MHz)は768GBとなる

Exalogicの詳細スペック。ここまでのハードウェアを開発できた背景には「Sunの力が大きい」としている。最大のポイントはInfiniBandアーキテクチャの採用だろう

ミドルウェアとしては、JRockitやWebLogic ServerなどがExalogicに最適化された状態でインストールされる。また、Oracle EBS、Siebel CRM、PeopleSoft Enterprise、JD EdwardsなどのOralceアプリケーションは、変更を加えることなく動作できるよう最適化されており、カスタムアプリケーションやサードパーティ製のアプリケーションも動作させることができる。

Exalogicの構成。ハードウェアの設計はもちろん、ミドルウェアレベルの最適化もオラクルが行うことで、高速パフォーマンスを実現する

Oracleアプリケーションはもちろんのこと、カスタムアプリやサードパーティアプリも稼働可能な柔軟性をアピールする

米Oracle 製品管理担当バイスプレジデント モハメド・アフシャー氏

同マシンの最大の特長は、ハードウェアの設計/調整/テストからアプリケーションのデプロイまですべてオラクルが手がけること、もうひとつはJavaアプリケーションの大幅なパフォーマンス向上が図られていることだ。米Oracleで製品管理担当バイスプレジデントを務めるモハメド・アフシャー氏は「Java EEアプリケーションの同時処理性能は10倍以上に改善されている。秒間のJavaオペレーションは60%のパフォーマンス向上を記録しており、レスポンス時間は10倍まで向上した」と語る。このパフォーマンス向上に大きな貢献を果たしたのがInfiniBandアーキテクチャの採用だ。Exalogicで使われているInfiniBandベースのI/Oファブリックは「オラクルにとってチャレンジであり、最大のアドバンテージ」(日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアディレクター 清水照久氏)とオラクル自身が表明するように、高速性、耐障害性、ローレイテンシを実現するアーキテクチャとして注目される。メモリバッファコピー処理の排除、パケットサイズを4Kから16Kにすることでネットワークオーバーヘッドを削減、さらにInfiniBandに最適化することで、10GbEに比べて3倍のスループット、およびレイテンシの50パーセント短縮化に成功したという。また、InfiniBandにより、DBマシンのExadataとの統合もスムースかつ高速に実現する。

同じくInfiniBandを搭載したExadataと統合した場合、相互連携スピードは960Gbsを実現する。「ボトルネックやオーバーヘッドを極限まで削減することが可能になる」(アフシャー氏)

ExadataとExalogicを用いて構築するプライベートクラウドの例。拡張も縮小も"エラスティック"に行えることが最大の特徴だ

価格は「顧客の環境によってまったく異なるシステムになるため、詳細は非公表」(日本オラクル)だが、最低価格ラインとして、4,000万円から5,000万円程度になるとのことだ。販売はExadataと同様、基本的に日本オラクルによる直販がベースになるが、パートナーとの提携については「今後どのように進めていくか、パートナーの皆さんとすりあわせをしていきたい」(遠藤社長)としており、現状では未定となっている。

なお、SPARC T3プロセッサとOracle Solaris 11の組み合わせによる「Exalogic T3ー1B」も順次提供される予定になっている。