2010年の百貨店、スーパー、コンビニの売上高が出そろった。いずれも前年割れ。長引く消費不振で百貨店とスーパーはともに14年連続の減少となった。コンビニも既存店の売上高で前年をわずかに下回ったが、7月以降は回復の兆しもみられた。

日本百貨店協会が発表した2010年の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比3.1%減の6兆2,921億円だった。前年割れは14年連続。減少幅は2009年の10.1%減から縮小した。商品別では、主力の「衣料品」が4.7%減。「美術・宝飾・貴金属」は同3.7%減となっている。ただ10月に32カ月ぶりの前年同月比プラスとなるなど、年後半からは一部で回復の兆しもみられた。12月の売上高は前年同月比1.5%減の7,246億円。「株価の回復や円高の一服感などを背景に消費マインドも改善し、一部高額商材に動きが見られた」という。

スーパーも苦戦。日本チェーンストア協会が発表した2010年のスーパーの売上高(店舗調整後)は、前年比2.6%減の12兆355,6億円。こちらも14年連続の前年割れとなった。同協会では「生活者の節約志向が続く中で、会員企業は様々な販促に取り組み、マイナス幅は縮小傾向となったものの前年を上回るまでには至らなかった」としている。商品別では主力の「食料品」が2.3%減、2009年には前年比で10.8%減にまで落ち込んだ「衣料品」は4.4%減だった。「住関品」は2.1%減、「サービス」は4.0%減。12月の売上高は前年比1.6%減の1兆2,123億円。前年割れは25カ月連続。中旬まで気温が高めに推移したことなどで防寒関連の衣料品や鍋物関連の食料品が苦戦した。

一方、コンビニ業界には回復傾向が見えてきている。日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア10社の年間売上高(既存店ベース)は、前年同月比0.8%減の7兆3,947億円だった。「taspoの反動は一巡したものの、前半は長引く景気低迷による影響を受けた」(同協会)とのことだが、7月以降は、たばこ増税による駆け込み需要の反動があった10月をのぞき前年比プラスで推移。来店客数(既存店ベース)は129億5,953万人で前年比0.1%減、平均客単価は同0.7%減の570.6円だった。12月の売上高は前年同月比3.3%増の6,628億円で、2カ月連続のプラス。平均客単価は609.4円で同1.9%増。3カ月ぶりにプラスに転じている。「日配食品が堅調な数字を維持し、たばこ税増により一時的に減少したたばこの売上も金額ベースで大きく前年を上回り、全体の売り上げをけん引した」(同協会)という。