TRA路線図。投入予定区間は嘉義~台北~花蓮間

住友商事と日本車輌製造は1月6日、住友商事を主契約者とし、台湾鉄路管理局(Taiwan Railways Administration:TRA)から車体傾斜式電車136両を受注したと発表した。契約金額は約300億円。

TRAは台湾全土の在来線鉄道輸送を担当する政府直轄の組織で、主な輸送系統は西部海岸と東部海岸を走る路線。今回受注した電車は2012年から2014年にかけて納入され、主に山間部や海岸線に沿って走る東部幹線の特急電車として使用される予定だ。

今回受注した電車は流線型のスタイルを持つアルミニウム車体で、8両を1編成とし17編成の合計136両で構成される。振子電車と呼ばれるタイプで、線路からの情報を読み取ってカーブに入る少し前から徐々に車体をカーブの内側に傾け、急カーブでも従来の車両よりも早い速度で走行できるとともに、乗客に不快な遠心力を感じさせずに快適な乗り心地を提供する。

住友商事と日本車輌製造がTRAに納品予定の電車のイメージ

2社がこれまでに台湾市場に供給した鉄道車両は、両社が出資する台湾の鉄道車両製造会社である台湾車輛の受注・製造分を含め、約400両に及ぶ。直近では、台湾車輛がTRA に納入した通勤電車160両が営業運転に投入された。