正しいマナーが分からず、ただただ恐縮です……といった気持ちになりがちな高級フランス料理店。今回は前編に引き続き、東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾートのソムリエである佐藤健一さんにフランス料理のマナーのポイントを教えていただく。これさえ覚えれば、高級フレンチも堂々といただけるようになるぞ!

教えていただく方

東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート レストランサービス部レストランサービス課ダイニング&バー係主任
佐藤健一さん

同ホテルには1995年入社。コーヒーハウス「ラベニュー」ホールスタッフを経て、今回紹介の「シュール ラ メール」へ。2000年、ソムリエ呼称資格認定試験合格、2007年シニアソムリエ呼称資格認定試験合格。「『シュール ラ メール』では親しみやすく、お客様を和ませる接客を心がけていますので、緊張せず料理とワインを楽しんでください」

魚料理のときに出てくる"あれ"の使い方

「近海ヒメジのポワレ 栗のバターソース カダイフ添え」

そして魚料理「近海ヒメジのポワレ 栗のバターソース カダイフ添え」。魚料理といえば、ナイフのようなスプーンのような、一般家庭ではあまり見かけない"あれ"が登場する。これは「フィッシュスプーン」というもの。魚の身をソースと一緒に食べるためのもので、フィッシュスプーンを右手に、フォークを左手に持ち、フォークで身を押さえながらフィッシュスプーンで切っていく。フォークは補助的な存在だ。魚の身とソースをフィッシュスプーンにのせたらこのまま口に運ぶ。これで、崩れやすい魚もおいしくいただけるのだ。

ちなみに今回は、揚げたカダイフ(細い麺状のもので、揚げるとサクサク食感)が魚の下に敷かれている。このまま魚を切るには不安定なので、手前に魚を移動してから切っている。

向かって左がフィッシュスプーン。身が崩れやすい魚もこの通り

最難関の骨付き肉

「仔羊のロースト ハーブを散りばめたパン粉焼き 赤ピーマンソース」

口直しのソルベの後は、今回の最難関である「仔羊のロースト ハーブを散りばめたパン粉焼き 赤ピーマンソース」。骨付き肉、これは手ごわい。「フランス料理といっても、手で掴んで食べるのはNGではないのですよ」とのことだが、いきなり骨を手で掴んでガブリッと行くのはもちろんNGだ。まずは、皿の中で切りやすい場所に仔羊を移動し、ひと口ずつ切って食べていく。写真のような状態になったら骨を手で持っていただこう。骨の周りの肉って、おいしさが詰まっていておいしい。ぜひみなさんも味わって欲しい。

「手で掴んで食べるのを嫌って、無理にナイフ&フォークを使い続けると、ナイフが皿に当たって"ガシャーン"と大きな音がしたり、ごくまれに料理が飛んでしまうこともあります。このようなことを避けるためにも、遠慮なく適したタイミングで手を使って食べてください」。なお、フィンガーボールがない際はサービスマンにお願いするとよい。

いきなり骨を手で掴むのではなく、まずはひと口ずつナイフで肉を切って食べていく

写真のような状態になったら骨を手で持っていただく