MySQL

Oracleは15日(米国時間)、OracleはMySQLの最新版リリースとなるMySQL 5.5 GAを発表した。MySQL 5.1 GAが公開されてから2年ぶりのプロダクションリリースとなる。この最新版についてMySQLのオリジナル開発者であるMichael Widenius氏がMonty says: A quick look at MySQL 5.5 GAにおいてその特徴をまとめている。MySQL 5.5 GAは特にMySQLのヘビーユーザが喜ぶ機能が実装されていると説明がある。取り上げられている新機能は次のとおり。

  • InnoBDの改善。デフォルトのストレージエンジンになったほか、スケーラビリティとパフォーマンスを向上させるための数々の機能が導入されている。
  • 適切なDDLロック機能の実現。この結果、マルチコア/プロセッサ搭載ハードウェアにおけるスケーラビリティが改善している。従来、DDLロックの実装が原因でマルチコア/プロセッサにおいてスケーラビリティがでていなかった。
  • Windowsにおけるマルチコア/プロセッサでの動作パフォーマンスの大幅改善。これはmutexとコンディション変数をVistaのネイティブプリミティブを使うように変更するといったマイナーな変更で実現されている。
  • 準同期レプリケーション/レプリケーションハートビートの導入。
  • どのmutexやIOコールがボトルネックになっているかを見つけやすくするパフォーマンススキーマの導入。
  • プラグ可能な承認機能の導入。

Michael Widenius氏は個人的にはInnoDBの改善とDDLロックの改善に目を惹かれるとしている。それ以外ではマルチコア/プロセッサWindowsにおける大幅な性能改善が印象的だと説明がある。MySQL 5.5 GAで導入されなかった機能として今後の登場が望まれるものとして、次の機能も紹介されている。

  • スレッドのプール機能 (MySQL 5.6で登場するのではないか)
  • OSSのバックアップユーティリティ

Michael Widenius氏はMySQLが買収された後、結局独立してMySQLをベースとした新しいデータベースMariaDBを開発する企業を設立。MySQLのリリースに歩調を合わせながら、MySQLの機能を強化したり改善したバージョンをリリースしている。MariaDBで採用されているストレージエンジンはInnoDBではなくXtraDB。現在はMySQL 5.3をベースとしたMariaDB 5.3を安定版としてリリースするべく作業を実施しているという。

このままMariaDB 5.3の開発を進め安定版をリリースするか、MySQL 5.5 GAを取り込んでMariaDB 5.5をリリースするかどうかは今後の状況を見ながら判断するという。機能的な面ではMySQL 5.5が魅力的だが、登場してまもないため安定性を評価しきれず、今後しばらく状況を見ると説明している。