気になったトレーダーとの直接コミュニケーションも

前回は、FX投資情報コミュニティサイト『fx-on.com』の「みんなのトレード」を紹介した。「みんなのトレード」は、デモ口座の取引ながら、他人のトレードの詳細を見ることができ、実践的に学べる場となっている。ブログやTwitter(ツイッター)連動などのソーシャル機能も充実しており、気になったトレーダーと直接コミュニケーションを取ることもできる。

「fx-on.com」の優れたところは、FXの初心者から上級者まで、さまざまな利用の仕方ができる点にある。FXの基本的な知識は、さすがに書籍やセミナーなどで勉強してもらうしかないが、実際に取引を体験したいという人は、無料会員登録をして、すぐにデモ口座で仮想取引をしてみることができる。もちろん、最初は失敗をして損失を出してしまうことだろう。そこで、他のトレーダーの取引を見て学ぶ。結果だけでなく、ポジションを入れた時間、決済した時間など詳細まで見ることができるので、教材は山のようにあるといえる。

そして、自分でもリアルな取引ができると確信したら、FX会社の口座を開き、リアルな取引を始めてみる。fx-on.comで気に入ったトレーダーからはシグナル配信を受けることができるので、それを参考にトレードをしていける。

そして、実績を積み、レベルが上がると、今度はあなたのトレードを参考にしたいという人が現れてくるかもしれない。あなたのトレードシグナルを受信したいという人が増えてくると、fx-on.com内で通用する仮想通貨「On」を受け取れるようになる。さらに、実績と人気が上がると、投資顧問になることができ、オンライン講座を開設することができるようになる。ただし、この投資顧問になるのは簡単ではない。

「投資アドバイザーとして金融庁に登録をしなければならない関係もあって、審査は厳格です。実績、人気があるのはもちろん、実際にお会いして、その方の考え方、目的なども考慮に入れて、この方ならという確信がもてた方にお願いをしています」(ゴゴジャン代表取締役の早川忍氏)。

『fx-on.com』の投資顧問になるには、「実績、人気があるのはもちろん、実際にお会いして、その方の考え方、目的なども考慮に入れて、この方ならという確信がもてた方にお願いをしています」と語る早川氏

こうして、仮想通貨Onがたまってくると、fx-on.com内で販売されているトレードシステムの購入代金、利用代金に充当することができる。つまり、初心者からカリスマ上級者まで利用できるのがfx-on.comであり、トレーダーのレベルに応じて、ステージにあった利用ができるようになっている。

全国の出品者が開発したトレードシステムを用意

fx-on.comで、「みんなのトレード」のほかに、大きな柱になっているのが「システムトレード」だ。この「システムトレード」のコーナーには、全国の出品者が開発したトレードシステムが用意されていて、好きなものを利用することができる(利用代金はさまざまで、仮想通貨Onで支払う。仮想通貨Onは購入もできる)。以前は、ダウンロードをして「MetaTrader 4」に組み込んで使う方式のみだったが、現在はひまわり証券の「トレードシグナル」に対応したシステムも数多く用意されている。

『fx-on.com』の「システムトレード」ページ画面

このようなトレードシステムを販売するサイトは、fx-on.com以外にも多数存在している。しかし、fx-on.comの「システムトレード」がユニークなのは、前回でも触れた"集合知"である。

「出品者の方からシステムの出品があると、まずはデモ口座を利用してバックテストを行います。同時にデモ運用を始め、フォワードテストも行います。その結果を見て、このシステムは会員の方にお薦めしても大丈夫だという確信が持てたら、開発者の方にお会いをしてインタビューをします。それから金融庁に登録をして、公開するという手順になります」(早川氏)。

中には、バックテストで好成績が出るように、過度に調整したシステムの出品もないわけではないという。

「そういうシステムはバックテスト、フォワードテストの検証時に分かりますし、お会いした時に、出品されない方がいいと忠告させていただくこともあります。ただ、fx-on.comを公正に運用するという観点から、ルール違反を犯していないシステムの出品を拒むのも難しいところがあるのです。ところが、そういう問題のあるシステムは、公開してみると、見事なまでに会員の方の人気を得られない。会員の方の目は肥えていますし、会員の方同士でどんどん情報交換をして、本物以外のシステムはどんどんランキングから沈んでいってしまうのです」(早川氏)。

多くの人の目を通じ、優れたシステムが浮かび上がる

fx-on.comの「システムトレード」には、もう一つ注目すべき点がある。それは早川氏が"良質変化"と呼ぶ現象だ。優秀なトレードシステムは、正統的なトレーダーだけが生みだすとは限らない。独自の、場合によっては、「常識外れ」の理論を軸にすえたシステムが好成績を上げるということだってありえるのだ。

「そういうシステムをお作りになるのは、どちらかというと副業でFXをおやりになられている方が多いように思います。全国には、まだまだすごいトレーダーが隠れているんですね」(早川氏)。

早川氏は、「全国には、まだまだすごいトレーダーが隠れているんですね」と話した

例えば、「38%理論」を軸に据えたシステムが好成績をあげている例があるという。「利益が38%になったら利益確定をするという理論です。なぜ38%なのかは私にもよく分かりません(笑)。その方の経験から割り出された数字だと思いますが、現実に好成績をあげていますし、会員の人気度も高いのです」。

もちろん、こういった一見非常識なシステムのほとんどは「玉石混淆」の「石」の方だろう。しかし、千に一つ、万に一つの「玉」が隠れていないとは誰にも言えない。そもそも、今なら多くの人が知っている常識的な「移動平均線のクロス」や「MACD」などのシグナルでも、登場したばかりの頃は、「非常識」だと思われていたのではないだろうか。

しかし、それが効果があることが次第に知られ、現在まで生き残ってきている。非常識なシステムが、明日の常識となる可能性は確率は低くてもありえる話だ。「玉石」から「玉」を選びだしてくれるのが、fx-on.comの会員たちといえる。多くの人の目で見て、情報交換をし、「このシステムは不思議に成績が上がるぞ」という話が伝播をしていく。実際にそのシステムを使った会員は、その結果を他の会員たちに伝える。こうして、優れたシステムだけが浮かび上がってくる。

fx-on.comは、「FX専門」の"深堀りSNS"

もし、fx-on.com側のみで検証を行い、fx-on.comが販売するシステムを厳選するとしたら、こうはいかないだろう。どうしても、優等生的なシステムばかりが並ぶことになり、"超常識的な"システムは出てこない。早川氏は、多くの人の目が優れたシステムを自然に選び出してくれるこのプロセスのことを、"良質変化"と呼んでいて、fx-on.comの大きな特長の一つとして位置づけている。

昨年来、ツイッターが大きなブームになり、多くの人がソーシャルサービスを利用する時代になった。ミクシィなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)もよく知られている。多くの人がソーシャルサービスを利用するのは、「良質」な情報と「不良」な情報の仕分けがしやすいからだ。多くの人が支持する情報は「良質」であると考えることができる。悪意のある人が、多くの人が支持しているように装った「不良」の情報を流しても、それはなんとなく判断ができるし、そのことに気がついた人がアンチ情報を発信して注意を促してくれる。ソーシャルサービスでは、良質の情報を選べるという心地よさがあり、そこが大きな魅力になっているのだ。

fx-on.comは、このソーシャルサービスの本質を適確にとらえた「FX専門深堀りSNS」だといっていいだろう。FXトレーダーも、孤独な戦いを続ける時代は終り、ゆるくつながりながら、FXを楽しむ時代になりつつある。fx-on.comの会員登録は無料で、他のトレーダーのトレード履歴を見るのも無料。有料になるのはシグナル配信を受けるなどの具体的なサービスを受けるところからである。ツイッターもそうだったが、ソーシャルサービスは使ってみないと、なかなかその面白さ、便利さは実感できないところがある。まずは、無料会員登録をしてみて無料部分で試用をして、ご自分の目で面白さ、便利さを実感されてみることをお薦めしたい。