筆者は、走行会レベルでサーキット走行も楽しむ程度だが、「車が趣味」を公言しているし、時代に逆行した、いわゆる悪燃費のスポーツカーを愛車にしている。なので、モータースポーツに詳しいと誤解されがちなのだが、正直、F1にはあまり詳しくない。本田技研を定年まで勤め上げた父親が、筆者が子供の頃から四六時中「ホンダ命!」とか「F1最高!」とかうるさかったので、それに対するアンチテーゼが働き、潜在的にF1に関する知識を拒絶していたかもしれない。ちなみに前出の愛車もホンダ車ではない(笑)。

「好きなF1カーは何?」と聞かれれば、タミヤRC世代の自分は「6輪タイレル」(当時はティレルとは表記されなかった)と即答する。そんな程度のF1の知識しかない自分の元にロジクールのステアリングとコードマスターズの『F1 2010』がやってきた。

『F1 2010』はPS3/Xbox 360のほか、PC(Windows)向けもリリースされている

ロジクールの「Driving Force GT」に痺れる!

編集部から届いた梱包箱を開梱するなり、『F1 2010』よりも、まず琴線に触れてしまったのはこのロジクールのステアリングコントローラ「Driving Force GT」の方であった。

ロジクール「Driving Force GT」

トラックボールからレーザーマウス、プロ用3Dマウス、ゲーミングキーボードなどなど、あらゆるマン・マシン・インタフェース関連周辺機器を手がけているロジクールが開発したステアリングコントローラだけあって、質感が高い。ステアリング本体の"握り"の部分にはエンボス加工がしてあり、手の平とのグリップ感がまずいい。ステアリングは実車と同じ左右に2回転半(900°)までの入力が可能で、実車シミュレーター系のゲームとのマッチングもいい。当然フォースフィードバック付きで、衝突時の衝撃や、路面が車輪を動かそうとする力(アライニングトルク情報)などの路面からの反力もリアルに伝えてくれる。

そして、アクセルペダル、ブレーキペダルのついた床置き式のフットコントローラも同梱されていて、こちらの踏み心地も軽くなく、微妙なペダルワークが楽しめて実車っぽい。ギア(トランスミッション)のシフトはステアリング直下のパドルスイッチでもできるが、ステアリングの土台側の右には上下入力が可能なシフトレバーも備わっている。ステアリングのすぐ横にあるので、雰囲気的にはミニバンのオートマ(AT)車みたいな感じだが、ステアリングから手を離しては忙しくシーケンシャルシフト操作をするチューニングカーの雰囲気を味わえることだろう。

ジョイパッドでも楽しめるがリアリティと臨場感、そして"なりきり感"を楽しむならばステアリングコントローラは必須!

この「Driving Force GT」は、『グランツーリスモ5(GT5)』のオフィシャルステアリングコントローラなので、GT5向けに実装されたリアルタイム・チューニングを行うためのボタン類も実装されている。これらはプレイするゲームによっては使わない可能性もあるが、『GT5』を購入する予定ならば嬉しい機能だ。

また、この製品、PS2やWindows(PC)にも対応しているなど汎用性が高いのも魅力。人生最初のステアリングコントローラとしてもお勧めできると思う。ちなみに標準価格は17,800円。今年の夏頃は1万4,000円前後で売っていたのだが、現在はGT5ブームの影響もあってか、品薄らしく、定価で取引されているようだ。一部のネット通販では定価以上の2倍の価格で取引していたりするようなので、とりあえず、今は店頭で見かけたら速攻"買い"と言ったところだろうか。