アジア時間概況

アジア時間は比較的模様眺めの状態ながらも、アジア株式市場では海外時間の流れを引き継ぎ、底固い展開。日本株式市場は、ユーロ円などのクロス円の円高が影響し、小反落。一方、原油価格の上昇を受け、エネルギー・資源価格の上昇を受けた商社・非鉄金属銘柄などが好感される場面もあり、今一つ方向感に欠ける状態となった。

ユーロは短期的な買い戻しの動きで1.3140付近にあったS/Lをつけるも、為替市場におけるユーロに対する信用不安が重石となり、ユーロは対ドルだけではなく、対スイスフランなどでも上値が重たい展開になっている。ドル円は、クロス円からの売り圧力とドルの買い戻し興味に挟まれ、83円台後半でこう着状態。

本日の主要経済指標

・16:00 ドイツ : 11月輸入物価指数

・18:30 英国 : 3Q総合事業投資(確報値)

・18:30 英国 : 3QGDP(確報値)

・18:30 英国 : 3Q経常収支

・21:00 米国 : MBA住宅ローン申請指数

・22:30 米国 : 3QGDP(前期比年率/確報値)

・22:30 米国 : 3Q個人消費(確報値)

・22:30 米国 : 3QGDP価格指数(確報値)

・22:30 米国 : 3QコアPCE(確報値)

・24:00 米国 : 11月中古住宅販売件数

・24:30 米国 : 週間原油在庫

要人発言、イベント

ギリシャ議会 2011年予算案採決

欧米時間の見通し

市場の関心事は、株式市場の堅調地合いがあるにもかかわらず、ユーロの信用問題と変わらず。

格付け会社ムーディーズ及びフィッチがポルトガルとギリシャに対して格付け引き下げの方向で検討しているという方針を受け、大手米系金融機関では、EU当局が現状の信用不安に対して確固たる方針を決定しない場合には金融機関の破たん・国家破たんの可能性があると注意喚起を促している。国債のソブリンリスクだけでなく金融機関に対する警戒感も広がるのであれば、スイスフランの堅調地合いは昨日の海外時間から加速する可能性がある。また、ユーロとのバランスで、米ドルへの回帰という動きが出てくる可能性もある。 仮に米ドルが堅調に推移する場合のポイントとしては、今週から注目されている200日移動平均線(1.3100付近)をしっかりと下回るかどうかだろう。昨日の海外時間ではしっかりと割り込んだ状態だったが、終値ベースではどうにか保っている状態。今日は主だったユーロ関係のイベントはないものの、信用・ソブリンリスクに関わる話題には注意しておきたい。スペインだけではなく、ベルギー・イタリアと範囲を広げてみておくべきだろう。

また、米ドル堅調となれば、資源関連通貨にも影響が出てくるかもしれない。原油価格など資源関連価格の上昇に対する高値警戒感もあり、クリスマス休暇を控えてのポジション調整がでる可能性はある。その場合には、豪ドル(AUD)の調整リスクは想定しておくべきか。ユーロとは違い200日移動平均線からの乖離がかなりあることが警戒されているかもしれない。

新興国経済の需要を背景に資源関連だけではなく、食料価格も上昇していることから、調整幅はユーロより小幅にとどまる可能性はある。ただ、注意すべきはインドと中国の金融政策。いずれの国も物価上昇に対する警戒感がかなり高く、現状では預金準備率の引き上げで対処しようとしているが、政策金利に加えて規制等次第では急ブレーキがかかる可能性がある。年度内にサプライズがあった場合には、流動性が低下している時期だけに、注意は必要だろう。

テクニカル的には対ドルで6月以降の上昇トレンドを形成しているものの、11月の高値1.0180をつけてからは持ち合い状態になっている。いずれかのトレンドポイントを抜けるかどうかに注目しておきたい。