Tektronixの日本法人である日本テクトロニクスは12月21日、PCI Express(PCIe)3.0に対する、業界でも最高クラスのトータル・ソリューション(PCIE3 PCI Express Essentialソフトウェア)の拡張を発表した。

同ソリューションは同社のオシロスコープ「DPO/DSA/MSO70000シリーズ」を用いて、物理レイヤのトランスミッタ(Tx)の検証、デバッグ、特性評価、コンプライアンス・テストを実行するもの。今回の拡張により、PCI Expressの物理レイヤ、プロトコル・レイヤを広範囲かつ総合的な測定機能を活用することが可能となった。

PCIe 3.0アーキテクチャは、新しい128B/130B符号化方式と8GT/sのデータ・レートによる低コスト、高性能なI/O技術であり、PCIe 2.0に比べて2倍のインターコネクト帯域がある。前世代と同じ基板材料(FR4)、コネクタをベースとしているため、PCIe 3.0ではチャネルで増加する信号損失における小さなマージン、新たなジッタ測定がさらに難しいものになっている。

拡張されたPCIE3 PCI Express Essentialは、PCIe Gen1およびGen2のテスト・ソリューションを継承しながら、シリアル・データ・リンク解析(SDLA)ソフトウェアと組み合わせることで、PCIe 3.0のトランスミッタとチャネル性能を検証し、PCIe 3.0のベース仕様とCEM仕様の測定の両方を実行できる総合ソリューションとなっており、SDLAは、チャネルのデコンボリューション、コンボリューション、レシーバのイコライゼーションが行える。 DPOJETジッタ/アイ・ダイアグラム解析ソフトウェアは、ジッタ、アイ・ダイアグラム、パラメータ・テストが実行できるほか、P7520型TriMode差動プローブは、コモンモード測定を含む、チップ間リンクの検証、デバッグに使用できる。

規格の速度が向上しているため、PCIe 3.0のレシーバ設計の性能検証とストレス・テストも重要となっており、BERTScope BSA85C型では、新しいレシーバ設計の有効BERを確認するためのストレス・パターン・テストを実行することが可能となっているほか、BERTScopeと併用するものとして、DPP125B型はストレス・パターンにプリエンファシスを追加し、CR125A型はエンベデッド・クロックをリカバーしてアイ・ダイアグラムが解析できるようになった。また、BERTScopeは、アイ・ダイアグラム解析の他にBER測定も可能であり、PCIe 3.0レシーバのデバッグ・ツールとして活用することが可能となっている。

これらのツールをロジック・プロトコル・アナライザ・モジュール「TLA7SA16型/TLA7SA08型」と統合することで、PCIe 3.0物理レイヤ、プロトコル・レイヤの観測ツールとなり、この2つのソリューションを組み合わせることで、PCIe 3.0のデバッグと検証、アナログ検証、コンプライアンス・テスト、デバイスの特性評価を実行することができるようになると同社では説明している。