米シマンテック コーポレーションの幹部 アニール・チャクラバーシー氏はこのほど都内で小誌の取材に応じ、2011年前半に、ストレージ管理支援ツール「Symantec Data Insight for Storage」を日本国内で提供開始予定であることを明らかにした。

米シマンテック コーポレーション ストレージ及びアベイラビリティ管理グループ担当 シニア バイス プレジデントのアニール・チャクラバーシー氏

「Data Insight」は同社が2010年3月に発表した特許申請中の技術で、WordやExcel文書、電子メールのデータなどの「非構造化データ」における「誰が」「いつ」「何をしたか」といった詳細な情報の追跡を可能にするもの。

企業におけるコンプライアンス対応などで有用とされるが、この技術を搭載した製品としては、すでに同社の情報漏えい対策製品「Symantec Data Loss Prevention」のアドオン(「Data Loss Prevention Data Insight」)が提供開始されている。

米国では「Symantec Data Insight for Storage」の発表が12月15日(日本時間12月16日)に行われているが、日本国内で同製品の情報が公開されるのは今回が初めてとなる。

「Symantec Data Insight for Storage」は、Data Insightによる非構造化データの一元管理に加え、部署やユーザーごとのストレージ使用状況を可視化し、管理者の負荷を軽減することが最大の目的とされている。

チャクラバーシー氏によれば、「多くの企業では、ストレージにかかるコストを定額で"月額いくら"といった形で部署ごとに割り振っているケースが多いが、使用量が多い部署も少ない部署も費用が同じになるこの課金方式に不満を感じているユーザーも少なくない」のが実情だという。

「Symantec Data Insight for Storage」ではこのようなユーザー企業の不満を解決するために、「どこの誰が実際にどれだけの容量を使用しているのか」という詳細なレポートによる証明のもとで個別に課金するといったことが可能になっている。同氏は「これによって、不公平感による部署間の喧嘩はなくなるだろう(笑)」としている。

データの持ち主や、それぞれの使用状況が可視化される

また、ストレージ管理の問題点の1つとして「(社員の退職などによって)持ち主がいない」「使われてない」といった事実上のムダなデータがディスクスペースを圧迫してしまうということがある。「Symantec Data Insight for Storage」では、長期間不使用となっているデータもひと目でわかるようになっているため、「12ヵ月以上アクセス履歴のないデータは削除する」など、企業ごとに設定されたポリシーに従って対応すればよいということになる。

同氏は、「ムダなデータへの対応が容易になることで、ストレージに対する追加コストの増大を防ぐことができる」という。

データの使用状況もひと目でわかる

出力されたレポートの例。部署・個人ごとの使用量を証明でき、部署ごとのチャージバック(費用の割り振り)の根拠にできる

現在は国内での提供開始に向けて準備が行われており、当初は英語UIによるInternational版の提供が予定されている。

「Symantec Data Insight for Storage」は容量(テラバイト)単位またはユーザー数による2種類の契約形態が用意される予定で、国内での提供価格は現時点では未定となっている。なお、「Symantec Data Insight for Storage」は単体での提供のほか、「Symantec Data Insight for Enterprise」やストレージ(ハードウェア)製品にバンドルされる形でも提供される見込み。