富士ゼロックスは、乳化重合トナー(EAトナー)より定着温度が20度以上低く、定着時の消費電力を最大40%低減できるEA-Ecoトナーの新たな品種として、光沢を抑えた黒トナーを開発したと発表した。

同社では開発した黒トナーを、中国・アジアパシフィック地域で11月に発売したA4判LEDモノクロプリンタDocuPrint P105 b/P205 b/M105 b/M105 ab/M205 bに導入するという。

左からDocuPrint CM205 b、CP105 b、P205 b

また、このトナーの量産などに合わせ、EAトナー専門の最新鋭プラントを備えた富士ゼロックスマニュファクチュアリング富山事業所 (富山県滑川市)におけるEAトナーの生産能力を約8,000トンから10,000トン以上に拡大するという。

同社によれば、光沢を抑えるためには、トナーを構成する樹脂を硬くしたり、樹脂を変えることで弾性(硬さ)を高めたトナーを使い、トナーが紙に定着した際、画像表面に凹凸を作って光の反射を抑える必要があるが、弾性(硬さ)を高めれば溶かすために定着温度も高くしなければならず、光沢を抑え同時に省エネを実現することは困難だという。今回の新トナーでは、樹脂やその構成を変えることなく、樹脂の分子同士の連結方法を変えることなどにより、省エネ性能を確保したまま光沢を抑えることに成功したという。