──ところで、お二人が初めて遊んだゲームは?

 幼稚園のころ、友達の家で遊んだカセットビジョンの『ピンポン』です……って、かなり古い話ですね(笑)。あと、ファミコンも発売して間もなく飛びついたのですが、最初にハマったのは『ポパイの英語遊び』。2人対戦モードがとってもよくできていて、動きにも背景にも工夫が凝らされています。話しているうちに、また遊びたくなってきました。

松浦 父親がデジタル製品好きだったこともあって、小学校低学年のころからシャープのポケコンとか富士通FM-7でプログラムを書いていたんです。だからファミコンよりもパソコンのほうが先でした。初期のファミコンゲームの記憶でいうと、『ゼビウス』が印象深いですね。友達の家で初めて遊ばせてもらって、FM-7版より仕上がりがいいので驚いたことを覚えています。

実は、最初に手に入れた家庭用ゲーム機ってファミコンではなくセガのメガドライブ。任天堂のゲームも楽しんでいましたが、どちらかというとセガ派だったんです。RGBの色味をパキッと表現したメガドラのグラフィックが好きでした。任天堂のゲームを遊び込む機会が増えて、奥深さや面白さを実感したのは大人になってからでした。

──では、死ぬ前にプレイしておきたいゲーム、最後の晩餐ならぬ"最後のゲーム"は?

松浦 メガドラでさんざん遊んだ『ゴールデンアックス』です。次点はセガサターンやドリームキャストの『ダイナマイト刑事』シリーズ。どっちもセガのタイトルですね。RPGのように1人で没入してプレイするゲームも好きなのですが、最近は、多人数でプレイできるゲームのほうが楽しいな、と。一般的に言うと、ゲームバランスに危うい部分があるように見えても、実はギリギリの絶妙なバランスを保っていて、それが愛すべきバカっぽさにつながっているようなタイトルが好きなのかもしれません。

『ゴールデンアックス』と『ダイナマイト刑事』は、結婚(おふたりはご夫婦)して改めて2人で遊んでみたのですが、やっぱり面白い。夫婦で遊ぶには最高のゲームですよ(笑)

 私も同じ2本を推します。結婚した友達から「夫婦で遊ぶのにオススメのゲームってある?」と尋ねられることがけっこうあるのですが、「『ゴールデンアックス』と『ダイナマイト刑事』で遊べばバッチリだよ!」と毎回オススメしてますね。カップルにぴったりのゲームだと思うのですが、まだあまり賛同を得られていません(笑)

──最後に、最近のゲームで何かオススメはありますか

 アメリカのビッグフィッシュ・ゲームズがリリースしているダウンロードゲームに注目しています。特にポップキャップ・ゲームズの『プラント vs. ゾンビ』とか、なかなか緻密で、すごく面白いですよ。1時間無料で試遊できるゲームがほとんどなので、いろいろ遊んでみるのが楽しいです。最近はいきなりハイテンションでプレイできるゲームが好きなので、限られた試遊時間内に面白さをアピールして売る、というスタイルが合っているんですね、きっと。

松浦 『プラント vs. ゾンビ』は確かに面白かった。ゲーム性がすごく練ってあって、作り手がプレイヤーを楽しませようとあれこれ工夫してくれる……いうなれば"おもてなし感"のような姿勢が伝わってくるんです。ゲームを楽しめるかどうかは、この"おもてなし感"があるかどうかがとても大事な要素。それは、どんなゲーム端末でも、どんなジャンルの、どんな演出技法のタイトルでも、すべてに共通する要点だと思います。

多人数でゲームを遊ぶときには、プレイヤー間にも"おもてなし感"があると、ゲームがずっと楽しくなる気がします。ファミコン時代に友達の家に遊びに行くと、『エキサイトバイク』や『ナッツ&ミルク』のステージ作成機能を使って、その場でステージをザクザクと作って遊ばせてくれることがあって、とてもワクワクしたことを覚えています。友達と誘いあってゲームを一緒に遊んだり、ゲームの楽しみ方を研究したりすることで、今まで知らなかったゲームの魅力が見えてくるかもしれません。