ちょっとかぜ気味だけど、忙しくて病院に行く暇がないから薬局でかぜ薬を購入する―なんてこと、よくありがちなパターンではないだろうか。

コンタックの調査によると、約85%のビジネスパーソンが、軽いかぜであれば病院に行かずに市販のかぜ薬で治す『セルフメディケーション』を実行していることがわかったという。また、「市販のかぜ薬でかぜを治したい」という意思は約98%に上った。その背景として、同社は「ビジネスパーソンは気軽に仕事を休めず、医療機関に行く時間がないため、市販のかぜ薬を上手く利用し、自身でケアしようという意欲が高い」ことを挙げている。

一方、かぜ薬を購入する際、薬剤師に相談して購入する割合は約30%に留まり、自己判断で薬を購入している人が約70%と大きく上回っている。店頭での薬剤師とのコミュニケーション機会が低いことが明らかだが、薬局で自己判断によりかぜ薬を購入し、全然症状が改善されないどころか悪化するケースは多々あるという。

みすず薬局(所在地:渋谷区千駄ヶ谷)の岩下哲哉氏は「かぜ薬はどの症状でも効くと思っている方が多い。たとえば、自身でかぜと判断⇒『熱』、『鼻水』の症状で市販のかぜ薬を購入⇒せきが治らないと来店⇒せきに特化している市販薬を薬剤師より薦めるなど。また、かぜの症状は変わり、その症状毎に薬は変えなければいけないのに、当初購入の市販のかぜ薬を飲み続けているケースがある」と指摘する。

かぜ薬と一口に言っても、その種類は多岐にわたる。岩下氏曰く「メーカーは、パッケージに訴えたい症状を強調して表示している。成分に関しても、裏面にどの成分にどの作用があるか記載しており、薬剤師や登録販売者もこの情報を元にかぜ薬を分類する。どのくらいの種類があるかは、お客様のニーズの切り口により異なり、細分化する為、正確には勘定できない」とのこと。それだけ数ある種類の中から、自分の症状にあった薬を見つけるというのは至難の業だろう。かぜ薬だからどれも同じ―と軽んずべからず。まずは、恥ずかしがらずに薬剤師に相談してみた方がいいと思うのだが、いかがだろうか。