Aaron Filner氏 (Group Product Manager, Flash Runtimes)

10月25日から27日(太平洋夏時間)にかけてAdobe Systemsの主催で開催されたユーザカンファレンス「Adobe MAX 2010」では、「Adobe AIR 2.5」の発表を含めてFlashプラットフォームに関するさまざまな発表が相次いで行われた。その総括ともいえる内容のセッション「Roadmap: Flash Platform Runtime」では、Flashランタイムに関するGroup Product Managerを務めるAaron Filner氏が、Flashプラットフォームの現状や今後のロードマップなどについて語った。

AdobeのFlashプラットフォームはFlash PlayerとAdobe AIRという2種類のランタイムから構成されている。このうちFlash PlayerはWebブラウザベースのコンテンツ配信基盤としての役割を担うもので、インターネットに接続されたPCの98%にインストールされており、300万以上の成果物がこれを利用しているという。一方でAIRはスタンドアロン・アプリケーションの実行基盤としての役割を担うもの。こちらはランタイムが3億のPCに、アプリケーション開発環境であるAIR SDKが250万のPCにインストールされているという。

近年、この両者においてAdobeが共通して力を注いでいるのがマルチプラットフォーム対応である。Flash Playerについては、昨年スマートフォンでの動作をサポートしたバージョン10.1がリリースされており、Android Marketからのダウンロード数はすでに200万を超えているとのこと。一時はAppleがiOSでの実行を許可しないと発表し大きな話題にもなったが、その騒動の最中にあっても着実に市場に浸透してきたことがわかる。

AIRの方は、Adobe MAX開催中に新しいリリースが発表された。それがマルチスクリーン対応が強化された「Adobe AIR 2.5」であり、新たにスマートフォンやタブレットPC、テレビなどでの動作をサポートしている。AIR 2.5はオープンベータとして開発が進められたため、リリースの時点ですでに300以上のAIRアプリケーションがAndroid Market上に公開されており、現在もその数は増え続けている。スマートフォン以外にも、テレビでAIRアプリケーションを実行するための「Adobe AIR for TV」などが発表されており、今回のリリースでAIRアプリケーション市場はさらに大きく拡大していくことになるだろう。

Flashランタイムがサポートするプラットフォーム