凸版印刷は11月8日、各種バリアフィルムや太陽電池部材など機能性フィルムの製造拠点である同社深谷工場を増床し、生産能力の拡大を図ることを発表した。今回の増床では、各種バリアフィルムと太陽電池部材の生産ラインをあわせて導入。太陽電池バックシートの生産能力を従来比で約2.5倍に引き上げるなど、機能性フィルムの生産能力を拡大し、生活環境分野や環境エネルギー分野での事業拡大を図る計画としている。

深谷工場の増床後の完成予想図

深谷工場は機能性フィルムの生産拠点として2009年4月に竣工。各種バリアフィルムにおいては、これまで水蒸気や酸素を通さない透明蒸着フィルム「GLフィルム」を中心に事業を展開してきた。今回の増強により、GLフィルムの生産能力の強化が図られるほか、さらなるハイバリア性を追求した新フィルムなど、ニーズに合わせたさまざまな機能を持つフィルムを製造する予定だ。

また、太陽電池部材においては、「デュポン テドラー PVFフィルムテクノロジー」を適用した太陽電池バックシート「BS-TX」などの各種太陽電池バックシートの生産能力を強化するほか、太陽電池封止材フィルムの生産設備を新たに導入し、環境エネルギー分野での事業拡大を図る計画としている。

着工は2011年11月中を予定、完成は2011年3月で、投資額は約50億円。これにより深谷工場の延べ床面積は増床前と比べ、7612m2拡大し、約2万8292m2となり、生産能力はハイバリアフィルムで従来比約30%増、太陽電池バックシートが年産規模で約5GWとなる予定のほか、封止材フィルムもバックシートの生産能力拡大に併せて順次増強が図られていく予定となっている。