オープンテキスト副社長 営業本部長の荒川勝也氏

オープンテキストは11月4日、同社の企業コンテンツ管理(ECM)製品「Open Text ECM Suite」を基盤とした契約管理ソリューション「Open Text Contract Management」を発表した。同製品は、あらゆる種類の契約書の作成、調整、承認、期限管理、廃棄といった全社的な管理を実現する。

副社長 営業本部長の荒川勝也氏は、「企業における契約書管理は3つのステップに分けられる」と説明した。メールやExcelなどを用いた簡単な管理が第1ステップで、ファイルサーバなどを用いた閉じた世界での管理が第2ステップで、海外のやり取りを含めたコラボレーションまで含む管理が第3ステップとなる。

同製品がターゲットとしているのは、第3のステップに当たる高レベルの契約管理だ。「第3ステップの管理においては、"機動性"、"柔軟性"、"拡張性"が必要となるが、Open Text Contract Managementはこれらを持ち合わせている」と同氏。

オープンテキスト技術本部 ディレクターの市野郷学氏

同製品の詳細については、技術本部 ディレクターの市野郷学氏から説明がなされた。同氏は初めに「契約は人事部門、経理部門、マーケティング部門、法務部門など、社内の複数の部門で共有すべきものにもかかわらず、きちんと管理できていない企業が少なくない」と述べた。

そのため、企業では契約管理について「企業レベルでの契約の一元管理」、「契約の可視化・モニタリング」、「契約のマイルストーンの把握」、「適切なアクセスレベルの付与」などの課題を抱えており、これらを解決するのが同製品となる。

同製品は、Open Text Contract Managementが提供する文書管理、ワークフロー、アーカイブ、レコードマネジメント、電子メール管理といった機能を基盤としており、検索可能な集中リポジトリによって電子化された紙文書や文書ファイルの一元管理を実現する。

契約期間が切れた場合など、契約がキーとなるマイルストーンに達した時、電子メールで通知が行える。これにより、契約の見直しや削減などが可能になり、コスト削減につなげる。

Open Text Contract Managementの仕組み

また同製品は契約に関する情報を取引先ごと、契約ごとに体系的に一元管理し、1画面で表示することができるテンプレートを用意している。テンプレートからウィザードに従って、容易に契約書を作成することが可能。

Open Text Contract Managementの操作画面

契約文書に対しては、「参照」「編集」「印刷」などのコンテンツセキュリティ機能を拡張することができる。例えば、印刷は専用ビューワ「Brava!」によって行わせると指定することで、ローカルでのアプリケーションの操作をブロックすることが可能になる。加えて、専用のセキュリティビューワを用いて、ユーザーの権限のレベルにより見せたくないデータをマスキングすることもできる。

同製品はSAPやマイクロソフトなどのビジネスアプリケーションとの連携をサポートしているため、仕入先や得意先のマスタを外部のデータソースからインポートすることができ、わざわざ入力する必要がない。