【今日のCFD】スポット金

米金融緩和を巡る思惑により、ドルの売り買いが激しく交錯している。市場では、2兆ドルという大規模な追加緩和を期待していたところに、11月3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和の規模は数千億ドルに留まると米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた。

これをきっかけに大口の投機筋は、ドル売り/金買いのポジション決済を迫られ、金相場は一時下落したものの、米連邦準備制度理事会(FRB)が債券ディーラーや投資家を対象に、資産購入が利回りに及ぼす影響を調査したことが明らかになると、再び「大規模金融緩和→ドル安・インフレ懸念→金相場上昇」の流れが意識され、ドル売り/金買いへとシフトしている。

また、国際通貨基金(IMF)が20カ国・地域(G20)各国に宛てた調査報告書の内容もドル安を誘発したと市場の一部で考えられているようだ。

具体的には、中国元に関しては、依然として「大幅に過小評価している」とし、円、ユーロ、ポンドについても、「経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に概ね一致している」と指摘。一方、ドルに関しては、米経済との比較で「強め」との見方を示したことが材料視されたようだ。

明日は7~9月期米国内総生産(GDP)、また11月2日には米中間選挙、さらに11月2~3日はFOMCが控えていることで、短期的には乱高下しやすい展開が予想されるが、未だ1300ドルを維持していているところを見ると、金相場を取り巻く強気の投資環境に大きな変化はみられず、買い場を探る相場と考えた方がいいか。また、NY先物市場での金の取組高を見ても、ここ最近のレンジ相場の動きで減少しており、相場の過熱感は解消されている点にも注目したい。

テクニカル的に見ると、サポートラインをトライする展開となっているが、かろうじて金相場を下支えしているところを見ると、根強い金の買い需要がうかがえる。仮にこのラインをブレイクしてもすぐ下には1307(フィボナッチ23.60%戻し)、更にその下には1300の心理的節目も控えており、10月以降継続しているサポートゾーンが、今後も金相場を下支えする可能性がある。

1300前半で維持される状況が継続した場合、1387(史上最高値)をターゲットに、まずは10月20日以降レジスタンスポイントとして意識されている1350を突破するかが上値ポイントとして浮上する。21日移動平均線が1348に位置している点を考えても、金相場を抑える可能性は否定できない。ここでの攻防に敗れた場合は、再びサポートライン割れを目指す状況になる可能性が出てくる一方、突破した場合は、1370レベルでのレジスタンスゾーンを突破するかが次の焦点となる可能性が出てくる。

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