独SAPは10月27日(ドイツ時間)、2010年第3四半期(7月 - 9月)の業績報告書を発表した。同期の売上高は前年同期比20%増の30億ユーロ(約3,385億円)、純利益も増加し、堅調さを見せた。2010年初めに導入した共同CEO体制が成功したという評価もあるようだ。

総売上高は30億ユーロで、うちソフトウェアおよびソフトウェア関連の売り上げは前年同期比20%増の23億2,000万ユーロ(約2,618億円)となった。純利益は前年同期比12%増の5億100万ユーロ(約575億円)。1株当たり利益は同12%増の0.42ユーロとなった。

SAPのCFO、Werner Brandt氏は、同期は世界の各市場で好調だったとしながらも、特に米国、それに中国などアジア、欧州、中南米の各新興国で成長したと述べている。製品分野では、BIなどのビジネス分析がけん引役となっていると報告している。SAPはこの分野で、「BusinessObjects」ブランドの下、オンプレミスとオンデマンドで提供している。

SAPの好調な業績には、2月に就任した2人の共同CEO下での新体制が関係ありそうだ。共同CEOのJim Hagemann Snabe氏は欧州を、共同CEOのBill McDermott氏は米国を拠点とし、戦略全般と営業を統括している。SAPは同期、5月に発表した米Sybaseの買収を完了しており、オンプレミス、オンデマンド、オンデバイスとして、モバイルに強化する戦略を打ち出している。英Financial Timesは、調査会社の米Gartnerのリサーチディレクター、Thomas Otter氏をはじめとした複数のアナリストが共同CEOと経営体制に一定の評価を示している、と記している。

SAPの2人の共同CEO。左はBill McDermott氏、右はJim Hagemann Snabe氏