シトリックス・システムズ・ジャパンは10月21日、デスクトップ仮想化ソリューションの最新版となる「Citrix XenDesktop 5」を発表。年内に英語版と同時に日本語版も提供を開始する。

シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 マイケル・キング氏

「Citrix XenDesktop 5」では、UIや管理コンソールが刷新されているほか、アプリケーション配信プラットフォーム「XenApp」のクライアントソフト「Citrix Receiver」と、ユーザーの"セルフサービス"による仮想アプリケーション環境構築を可能にするクライアントソフト「Citrix Dazzle」が統合されている。

また、同社 代表取締役社長 マイケル・キング氏は記者説明会において、「デスクトップ仮想化市場はWindows 7の普及などを背景に急拡大しているが、今後はモバイルワーカーをターゲットとした市場が拡大する」と述べ、すでに対応済みのiPhoneやiPadに加え、デルやサムスンなどのAndroid端末をサポートすることも明言した。そして、カギとなる「Citrix XenClient」で使用される同社の「FlexCastテクノロジ」も強化され、"持ち出せる仮想デスクトップ"としての性能向上が図られているという。

新しくなったログオン画面(以下の画面はいずれも開発中の段階のもの)。従来の黒い重厚な印象のものから明るいデザインに変更されている

仮想デスクトップ環境の選択画面も新しくなっている

接続中の画面

Windows XPの物理マシンから、Windows 7の仮想デスクトップ環境にログオンしたところ

「Citrix Dazzle」と統合された新「Citrix Receiver」

検索窓にキーワードを入力すると該当するアプリケーションが一覧表示される(画面は「out」と入力した段階で「Microsoft Office Outlook 2010」が表示された例)

仮想デスクトップ環境の作成や展開、稼働状況の確認を行うIT管理者向けの管理コンソール「Desktop Studio」ではPowerShellが使えるようになっており、管理コンソール上でスクリプトを記述し、PowerShellを起動してスクリプトを実行するといったことが可能。これによって作業の効率化を実現できる。

刷新されたIT管理者向けの管理コンソール「Desktop Studio」

管理コンソールからPowerShellを起動し、記述したスクリプトを貼り付けて実行する様子

ヘルプデスクの担当者向けのリアルタイム監視ツール「Desktop Director」は、従来のものから「ほぼ100%、.NETベースのものに書き換えられた」(同社 マーケティング本部 担当部長 竹内裕治氏)とされ、リソースの状況の把握やトラブル対応が迅速に行えるようになっている。また、「シャドウイング」と呼ばれる、ヘルプ担当者がユーザーのデスクトップ環境を遠隔操作して診断やサポートなどを行う機能も強化されているという。

.NETベースとなったヘルプ担当者向けの監視ツール「Desktop Director」

なお、「Citrix XenDesktop 5」はマイクロソフトの「Microsoft System Center」との連携が一層強化され、「物理/仮想環境のシンプルな統合管理を実現できるようになった」(マイクロソフト ストラテジックアライアンス本部 本部長 杉山昇氏)といった点が、今回の最大のポイントになると強調した。

仮想デスクトップ環境に関するシトリックス製品とマイクロソフト製品の位置付け