アットマークテクノ、ローム、日新システムズの3社は、ロームの無線LANモジュール「BP3590」を使用したIEEE802.11b/g対応無線LANソリューションの提供について合意したことを発表した。

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この合意に基づき、同モジュールがアットマークテクノに対しOEM供給され、日新システムズが開発したLinuxデバイスドライバ(バイナリコード)を同梱した上で、「Armadillo-WLAN(アルマジロ・ダブリュラン)」の後継機として2010年11月よりアットマークテクノから発売されることとなる。

Armadillo-WLANは、アットマークテクノのLinux対応組み込みプラットフォーム「Armadillo(アルマジロ)」シリーズ専用の無線LAN対応オプションモジュール。中小規模の量産製品開発をコンセプトとした産業用途向け無線LANモジュールで、1台から購入できる点が特長となっている。

Armadillo本体と無線LANモジュールはArmadilloに標準搭載されたSDIOインタフェースで接続されるため、「Armadillo-400」シリーズをそのまま使用した量産にも対応する。

"BP3590"は、24.0mm×33.1mmのモジュールサイズで、動作温度範囲-40℃~+85℃に対応。オンボードアンテナ搭載で、アンテナの内蔵が求められるモバイル機器にも利用できる他、外部アンテナにも対応しているため、従来のArmadillo-WLANと同様に使うことも可能だ。また、あらかじめ技術基準適合証明なども取得済みのため、面倒な申請手続も不要となっている。

日新システムズによるArmadilloシリーズ用Linuxデバイスドライバのソースコードはオープンソースとして提供され、日新システムズのWebサイトから無償でダウンロードすることが可能となる予定のほか、日新システムズでは、同社の受託開発サービス「プロフェッショナルサービスPlus!」によって、Linuxデバイスドライバのカスタマイズ開発に対応する他、Google AndroidやμITRONなどLinux以外のOS対応サービスも提供していく予定としている。

なお、アットマークテクノでは、試作開発用の「Armadillo-WLAN評価セット(型番:AWL12-D01Z)」を、2万1000円で発売する予定。評価セットには、Armadillo-WLANモジュール本体、Armadillo-400シリーズに装着するための拡張ボード、SDカード型ベースボード、アンテナ、Linuxデバイスドライバソフトウェア(バイナリコード)を収録したCD-ROMが同梱される。また、Armadillo-420とArmadillo-WLANを組み合わせた「Armadillo-420無線LANモデル開発セット(型番:A4201-D00Z)」を5万2500円も同時に発売する予定のほか、量産用の「Armadillo-WLANモジュール(型番:AWL12-U00Z)」も1台から購入することが可能で、100台一括購入時の価格は8,000円以下となる見込み。