Freescale Semiconductorは、ベクトル演算ユニットを活用することで演算処理を高速化するベクタ処理技術「AltiVec」を同社のマルチコアQorIQ製品ファミリに搭載する計画であることを発表した。

AltiVecは、高帯域データ処理や膨大なアルゴリズム演算に対応し、制御処理およびデータ・パス処理タスク向けにDSPレベルの性能を実現するものでEEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium)のベンチマーク結果では、AltiVecテクノロジが有るのと無いのでは10倍の性能向上が実証されている。

これにより、Power Architectureテクノロジが拡張され、SIMD(Single Instruction Multiple Data)ベクタ処理が活用できるようになり、スカラ整数演算命令および浮動小数点演算命令と同時に実行できるベクタ演算命令が180個以上追加されることとなる。追加命令には、ベクタ間およびベクタ内の整数および浮動小数点演算、論理演算、条件命令、ビット操作(パミュート)命令およびデータ転送命令などがあり、これらの命令セットを活用することで、幅広い市場に対して電力効率の高い演算を実現することができるようになると同社では説明している。

なお、AltiVecテクノロジの性能上の利点を活用した開発を促進するため、同社ではAltiVecテクノロジ対応関数のダウンロード可能な複数のC言語ライブラリを提供するほか、同社ならびにサードパーティ各社がAltiVecテクノロジを搭載したQorIQ製品向けの開発サポートを行うことを予定しているという。