NTT出版より22日、単行本『チャンネルはいつもアニメ ――ゼロ年代アニメ時評』が発売された。これはアニメ評論家である藤津亮太氏が、過去7年に渡って連載してきたアニメ時評を1冊にまとめたもの。定価は2,310円。

藤津亮太氏は長年さまざまなメディアで活動を続けているアニメ評論家。活字媒体以外にもラジオ番組『渋谷アニメランド』(NHK第一)のパーソナリティーや『BSアニメ夜話』(NHK BS2)の準レギュラーなども務めている。今回の単行本に収録されている原稿の発表媒体が、アニメ雑誌としてはライバル関係にあたる『Newtype』と『アニメージュ』の両誌に渡っているのも、藤津氏の幅広い活動ぶりを示していると言えるだろう。

近年の話題作に関する時評が詰まった『チャンネルはいつもアニメ』。藤津氏のサイトでは、過去の原稿をまとめたお試し版が掲載されているので、立ち読み感覚で試してみてはいかがだろうか

今回の単行本には、見出しからざっと抜き出しただけでも『BECK』『機動戦士Zガンダム A New Translation 星を継ぐ者』『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』『ゲド戦記』『涼宮ハルヒの憂鬱』『コードギアス 反逆のルルーシュ』『秒速5センチメートル』『銀魂』『天元突破グレンラガン』『交響詩篇エウレカセブン』『ポケットモンスター』『NEEDLESS』『マイマイ新子と千年の魔法』といった多彩なタイトルがズラリ。これらの作品が気になった人や、毎年膨大な数が放映されるアニメシーンをあらためて振り返ってみたい人は、手に取ってみてはいかがだろうか。今回の単行本発売にあたり、著書の藤津氏からメッセージをいただいたので、下記に紹介しよう。

アニメは大衆娯楽の最たるもので、次から次へと制作され、楽しまれ、……そして消費されていきます。この10年でその速度はさらに加速しました。
本書は2004年から2010年までのアニメ・シーンを追った時評です。記録という側面もないではないですが、その時々のアニメの内容、在り方、置かれた場所について筆者の思考を記してあります。その点で、本書は「記録」というより「記憶」に近いものとなります。
足かけ7年分の「記憶」を通じて、アニメという巨大な山の輪郭を少しでも浮かび上がらせること。それが本書の狙いであり、同時にそれは消費という名の忘却に対するわずかながらの抵抗にもなるはずだと信じています。

藤津亮太
『ストライクウィッチーズ2』最終回を見ながら

このほか10月10日には、東京都新宿区のNaked Loftにて「アニメの門 場外乱闘編 VOL.8 チャンネルはいつもアニメ!?」が開催予定。本書の著者である藤津亮太氏とアニメライターの小川びい氏が司会を務める不定期トークイベントで、今回の単行本発売と2010年アニメシーンを題材に、識者による濃いアニメ放談が楽しめるとのことなので、こちらもチェックしてみてはいかがだろうか。