アイ・ティ・アールは9月24日、Windows Server 2008 R2の新機能によるコスト削減効果の試算結果を発表するとともに、その詳細をまとめたホワイトペーパーを発行した。ホワイトペーパーは同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。

同社の2008年の調査で、企業が最も利用しているサーバOSとして、Windows Server 2003が部門サーバで55%、基幹業務用サーバでも34%で最多となっていることから、今回Windows Server 2003のリプレースによるコスト削減効果のシミュレーションが行われた。

シミュレーションでは、サーバのハードウェアを更新する際、Windows Server 2003をそのまま継続するモデルと、OSをWindows Server 2008 R2に更新するモデルを比較した。

OSを更新するモデルでは、ITの電力消費削減とサーバの統合・整理に有効と考えられる、「Windows Server 2008 R2の新機能を利用したHyper-V2.0によるサーバ仮想化」、「コアパーキングによるマルチコア・プロセッサでの電力消費削減」、「FCI(File Classification Infrastructure)機能によるファイルサーバのストレージ使用効率の向上」に着目し、5年間のTCO比較を行った。

その結果、OSを継続したモデルに比べ、OSを更新したモデルは5年間で約25%のコスト削減率、金額では約7,700万円の削減が可能という結果が出た。

Windows Server 2003をそのまま継続するモデルと、Windows Server 2008 R2に更新するモデルの5年間のTCOの比較 資料:アイ・ティ・アール

TCOを算出に用いられた項目は、ハードウェア購入費用(サーバ・ネットワークストレージ)、ソフトウェア購入費用(OS・仮想化ソフトウェア・System Center)、初期設定費用、システム移行費用、ハードウェアの保守契約費用・電力・設置スペースコスト(レンタルラック費用)、運用管理費用(OS/ミドルウェア、ハードウェア)の各項目と、ディスク増加コスト(ファイルサーバで管理するオフィス文書ファイルの増加によるハードウェアの増加コスト)。