日本風力開発、トヨタ自動車、パナソニック電工、日立製作所は9月15日、青森県六ヶ所村で、低炭素社会実現に向けた効率的なエネルギー利用を実証するため、世界初の大規模蓄電池併設型風力発電所を活用した住民居住型のスマートグリッドの実験を16日より開始すると発表した。

4社は今回、風力発電導入量が国内最大の六ヶ所村で、CO2を排出せず系統電力から独立した電力網であるクローズドグリッドを独自に構築した。具体的には、対象となる国・地域(日本、欧州、新興国、資源国など)の電力事情(電源、需要、需給バランス)および地域事情(離島、気候その他特殊事情)を想定したクローズドグリッドでしか実証できないシナリオを作成し、エネルギー利用の効率化を実証する。

日本風力開発は、HUB蓄電池での供給側の調整と需要側(スマートハウス)の電力負荷コントロールとの協調によるCO2フリーの電力需給制御システムを構築するほか、スマートハウス側で、発電状況・居住者の電力使用状況・行動パターンなどに基づき電力利用を計画・コントロールするエネルギーマネジメントシステムを設置し、快適性を保ちながら供給側と協調するシステムを開発する。

トヨタは、スマートハウス、PHVの運行管理システム、電力消費/蓄電計画を作成・制御するシステム「TOYOTA Smart Center」を実証するほか、電力状況を見える化するツールとしてコミュニティ向けに「TOYOTA Smart Vision」、ユーザー向けにHEMSモニター、スマートフォン、車載ディスプレイオーディオの活用を実証する。

パナソニック電工は、スマートグリッドシステムの中でグリッドシステムと連携するHEMSを活用し、『電力供給側の要望』と『電力需要側(住人)の快適さ』の両立を図るための調査と対策の検討を実施する。

日立は、風力・太陽光発電と蓄エネルギー装置の導入により、自然エネルギーを最大限に利用するための、蓄エネルギー制御、負荷制御技術の検証を行う。

六ヶ所村スマートグリッドの位置図

六ヶ所村スマートグリッドの設備構成