ミクシィは9月10日、同社が開催したパートナー向けイベント「mixi meetup 2010」の中で、mixiの新プラットフォーム「mixi Plugin」と「mixi Graph API」を発表した。

mixi Plugin
- 外部サイトからmixiの機能を呼び出す組み込みタグ

mixi Pluginは、外部のWebサイトからmixiの各種ソーシャル機能を呼び出すためのプラットフォーム。mixi Developer Centerで発行されるHTMLコードを差し込むだけで、mixiが提供するさまざまなサービス/機能を利用できるようになる。

10日のリリース時点では、「Simple Post」と先日発表した「mixiチェック」向けの機能が公開されている。

ミクシィ パートナーサービス部 開発グループ マネージャ 田中洋一郎氏

これらのうち、Simple Postは、mixiボイス(つぶやきサービス)、日記、カレンダーなど、mixi内の投稿ページを呼び出すための機能。これらを組み込んだWebサイトでは、専用ボタンをクリックするだけでmixi内の対応ページに遷移できるほか、「Webサイト運営者側で、投稿ページにデフォルトで表示される文言を設定することも可能」(ミクシィ パートナーサービス部 開発グループ マネージャ 田中洋一郎氏)になっている。

一方、mixiチェックの方は、先日mixiに追加されたばかりの新機能「mixiチェック」に対する"チェック"の追加処理を外部サイトから直接行えるようにするためのもの。mixiチェックは、興味のある情報をクリップして共有することができるソーシャルブックマークのような機能で、今回のmixi Pluginで対応したことにより、「はてなブックマーク」ボタンなどと同じように"チェック"操作(はてなブックマークにおける"ブックマーク"操作)を簡略化するボタンを各Webサイトに設置できるようになる。

mixi meetup 2010に登壇したミクシィ 代表取締役副社長 サービス本部長 兼 COOの原田明典氏は、「これらの機能を各Webサイト/サービスに組み込むと、ユーザーが自分の友人に対してフィードを飛ばし、さらにその友人がWebサイト/サービスを訪れるようになるため、新たなユーザー獲得・流入の導線が生まれることになる」と、その意義を強調した。

なお、これらmixi Pluginについてはすでに、楽天、はてな、ディー・エヌ・エー、ヤフーが自社サイト内で導入したことを発表している。

左から、はてな 代表取締役の近藤淳也氏、ディー・エヌ・エー 取締役 ソーシャルメディア事業本部長 兼 COOの守安功氏、ミクシィ 代表取締役社長の笠原健治氏、ヤフー 取締役最高執行責任者 常務執行役員 R&D統括本部長の喜多埜裕明氏、楽天 編成部 常務執行役員の中島謙一郎氏

mixi Graph API
- デジタル家電等にソーシャル性を取り込むためのAPI

mixi Graph APIは、マイミクシィのプロフィールなど、mixi内のユーザーにひもづく情報(ソーシャルグラフ)を取得するためのAPI。「mixiユーザーが自分のソーシャルグラフを外部のサービスに引っ張ってくる」といった使い方を想定している。

現段階では以下の5つのAPIが公開されている。

  • People API : mixiに蓄積されているプロフィール情報や、マイミクシィの一覧情報を取得することができる
  • People lookup API : メールアドレスを元にユーザーを検索し、該当ユーザーのプロフィールを取得することができる。ただし、取得できるのはマイミクシィに登録されているユーザーのものに限る
  • Groups API : マイミクシィの中でも「同じ部署の人」「テニスサークルの人」といった特定の友人(グループ)に限定して、ボイスのつぶやきや更新情報一覧を取得することができる
  • Voice API : mixiボイスのつぶやき投稿、つぶやき一覧を取得することができる
  • Updates API : 自分や友人の更新情報を取得することができる

ミクシィ 代表取締役副社長 サービス本部長 兼 COOの原田明典氏

原田氏は、これらの機能の利用例として、携帯電話と連携させてマイミクシィの連絡先を電話帳に取り込んだり、TV番組用のレコーダと連携させて友人がどんな番組を録画したのかを見られるようにしたり、といったアイデアを紹介した。前者に関しては、「しばらく連絡をとっていない友人の連絡先も更新できるほか、ミクシィのプロフィールに使用している画像データも電話帳に取り込めるため、現在多くの人が持て余している"電話帳の画像登録"機能を有効に活用することができる」なとどメリットを強調。後者に関しては、すでにパナソニックと製品化を検討中だという。

ミクシィでは、mixi Pluginおよびmixi Graph APIを今後も拡張していく予定で、原田氏は将来の構想として、以下の画像に示されるようなAPIの提供を考えていることを明かした。

mixi Pluginおよびmixi Graph APIの今後の予定