Cypress Semiconductorは、静電容量タッチセンシングソリューション「CapSense」の新製品として、設計者がファームウェアを作成したり新しいソフトウェアツールの使用方法を学習したりすることなく機械式ボタンを置き換える(MBR)ことができるCapSense Expressコントローラ「CY8CMBR2044」を発表した。すでに3mm×3mm×0.6mm 16パッドQFNパッケージにて量産出荷を開始している。

CapSense Expressコントローラ「CY8CMBR2044」と利用イメージ

同製品に付属する設計ツールボックスは、最適なインタフェース性能を保証する詳細なリソースが提供されているほか、システムデバッグ機能により、設計を直接量産につなげて商品化までの時間の短縮が可能となっている。

1.7V~5.5Vで動作し、ボタン1個当たり15μAの動作モードでの供給電流と100nAのディープスリープ電流を実現しており機器の低消費電力化が可能となるほか、特許取得済みのCapSense Sigma Delta(CSD)センシング手法により、伝導ノイズと放射ノイズに対する耐性が保証されている。

また、SmartSenseによる自動調整により基準値と検出しきい値を動的に最適化し、電源投入時と動作時に環境条件の変化に合わせて最適な静電容量センシング範囲を実現するための調整を行うことが可能となっている。このため、エンジニアリング時間に加えて、製造上の公差のわずかなバラつきによっても生じる可能性がある歩留まり損失を縮小できるようになるという。

さらに、デバッグ用のシリアルデータ出力を持つビルトイン故障分析機能も備えており、デザインインプロセスを迅速化することが可能なほか、電源ノイズに対処するための電圧レギュレータとスプリアスノイズ用のフィルタも内蔵している。