今朝のドル円は85円20銭近辺と85円台を回復していたものの上値が重い状態。そこに日銀臨時政策会合が午前11時に開かれると噂が流れ、ドル円は85円半ばまで上昇。ユーロは対ドルで揉み合うなか、対円では公的資本筋の買いも市場で観測され、109円台後半を回復。ポンド円などクロス円もつれ高となった。

豪ドルはRBA副総裁のインフレ警戒発言が材料視され上昇、対円で76円前半を回復。しかし結局、噂された日銀の臨時政策会合は開かれず、また、官房長官が首相と日銀総裁の会談の日程を「知らない」と発言したことが誘引となり、ドル円は買われた分を巻き戻し反落した(85円30銭近辺)。日本やアジアの株式市場も午後に総じて一段安となったことで、クロス円も朝方の水準まで売り戻された。

主な経済指標

・20:00 カナダ消費者物価指数

きょうは大型の経済指標は予定されていないが、カナダで消費者物価指数(CPI)が発表される。カナダでは2009年秋以来、ガソリン価格の上昇によりCPIが続伸していた。しかし前回の発表で初めてガソリン価格が下落に転じ、CPIの伸びも鈍化した。カナダは国内経済の回復から今年6月にG7として金融危機後初めて利上げを実行している。その後、経済的にも地理的にも密接な関係にあるアメリカ経済が停滞していることから、その影響がどこまでカナダ経済に及んでいるのか気になるところ。

カナダに関しては、資源国としての市場の注目も高い。先日、英豪系資源大手のBHPビリトンはカナダの大手肥料メーカー、ポタシュに対し敵対的TOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。世界的に見て、今年は資源関連企業のM&Aが過去最高を達成するペースで増加していると言われており、中国によるオーストラリア企業の買収増加などと合わせて、世界で資源の争奪戦が加速しそうな流れ。資源関連株や資源通貨にとって個別の材料も増えていく可能性もあり、今後の話題には注意しておきたい。

カナダ60種株価指数 日足

カナダドル/米ドル 日足