IDC Japanは8月17日、2010年第2四半期(4月～6月)の国内クライアントPC市場の出荷実績を発表した。これによると、国内クライアントPC出荷台数は前年同期比13.5%増の366万台となり、2期連続で家庭市場/ビジネス市場共に2ケタ成長を遂げた。

これにより、同社は「PC市場回復傾向にある」とコメントしている。家庭市場向け出荷台数は特に、マイクロソフトのOffice 2010が発売された時期にも重なり、前年同期比13.5%増の196万台となった。

一方、ビジネス市場は、前年同期比13.4%増の170万台となった。同社では、スクールニューディールの特需が終わった今期も出荷台数は順調な伸びを示しており、ビジネス市場全体で買い替え期に入ったと見ることができると分析している。前期は中堅・中小企業の買い替え需要が好調であったことに対し、今期は大規模企業にも買い替え需要が波及し、来期に向けた案件も増加傾向がうかがえるという。

ベンダー別では、富士通がシェア0.2%の僅差でNECを抜いて第1位となった。対前年成長率は富士通が23.3%、NECが22.9%と共に20%を超える高い成長率を維持している。富士通がトップを獲得したのは、2009年第2四半期以来のこと。

2010年第2四半期 国内クライアントPC出荷台数トップ5ベンダーのシェアと対前年成長率(実績値)　資料:IDC Japan

富士通の躍進の原動力はデスクトップPCの出荷台数増。家庭市場ではオールインワンタイプ「DESKPOWER F」の出荷が大きく伸び、ビジネス市場ではデスクトップの比率の高い官公庁向け出荷が好調であったという。

NECは、ビジネス市場では中堅中小企業向けの出荷が好調だったため第1位を維持したが、家庭市場では富士通に抜かれて、総合で第2位となった。

デルは前期の第4位から第3位に順位を上げた。ビジネス市場では、回復基調の製造業に顧客が多い同社は昨年同期と同等の出荷台数を維持したが、家庭市場が不調だったため、総合してマイナス成長となった。

2010年第3四半期は、家庭市場がWindows 7やOffice 2010の発売によって買い替えの需要が促進されてプラス成長を維持し、また、ビジネス市場も大企業向けの案件が順調に積み上がり、2ケタの成長が見込まれるという。