CA Technologiesは7月15日、プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント(以下、PPM)ソリューションの最新版「CA Clarity PPM On Demand」を発表した。同製品は、同社が日本市場に初めて投入するクラウドサービスとなる。

CA Technologies オンデマンド営業部部長 マイク・アルフォード氏

まず、オンデマンド営業部部長のマイク・アルフォード氏が、PPMソリューションの市場動向と同社のクラウドコンピューティングへの取り組みについて説明を行った。

同氏は、「現在、経営層は現場を巻き込んだガバナンスを実践できないという課題を抱えている一方、現場ではプロジェクトと事業戦略との整合性が見えないという課題が生じている。こうした課題は世界共通であり、日本企業にとっても無縁ではない。今、日本ではPPM製品の市場が変わりつつあり、グローバル企業がコスト削減とガバナンス強化を目的にPPM製品を導入しつつある」と述べた。

国内におけるソリューション戦略として、クラウド形態でのソリューション提供と日本市場に適したPPM製品の提供を行う。加えて、クラウドビジネスの拡張に向けて、専門の事業部「オンデマンド営業部」が設立され、営業・営業技術を集約する。「ソフトウェアの技術情報だけでなく、営業技術の面からも日本の顧客をサポートする。日本における新戦略として、これが最も大きく変わった点だ」

同社ではクラウドサービスのラインアップとして、同サービス以外にも、従来のオンプレミス製品を加えていく予定だ。「その他のサービスのリリースは10月をめどに計画している」と同氏。Salesforce.comとの提携の話も進んでいるという。

CA Technologiesの日本における新戦略とクラウドサービスの全体像

同サービスは、企業や組織におけるITガバナンス、製品開発のプロジェクト管理などをクラウド上で一元管理できるサービス。具体的には、企業や組織内のIT開発要求、プロジェクトからアプリケーションのヒト・モノ・カネをポートフォリオとして管理することにより、IT投資の優先度を決定し、その計画と実績を監視する。

現行の「CA Clarity PPM v12」が機能拡張されたもので、「企業や組織におけるITガバナンス支援」のための機能が追加されたほか、ユーザインタフェースとダッシュボードが改善された。

発表会では、主要機能として、ITガバナンスについて詳しく説明がなされた。ITガバナンスとしては、「IT投資管理」と「プロジェクト管理」の機能が提供される。

「IT投資管理」は「統合的な要求管理」と「統合的なポートフォリオ管理」を、また、「プロジェクト管理」は「プロジェクト管理オフィスの権限強化」「統合的なリソースマネジメント」「リスクの早期発見と是正」「生産性の向上」を実現する。

CA Clarity PPM On Demandが提供する機能の全体像

CA Clarity PPM On Demandの操作画面

同サービスの提供は、同社が米国のデータセンターを活用して行う。販売は直販、もしくはパートナーの新日鉄ソリューションズから行われる。参考価格は、50ユーザーで518万4,000円(1年間)からとなっている(税抜)。