帝国データバンクは7月8日、同社のデータベース・信用調査報告書ファイル「CCR」(150万社収録)から、中国企業の出資を受けている日本企業を抽出し(個人からの出資は原則除く)、社数推移、業種別、年商規模別、都道府県別に分析を行った結果を発表した。

同社の発表によると、中国企業が出資する日本企業は611社判明した。これは、5年前の233 社に比べて約2.5倍に増加していることになる。。日本進出の足がかりとして国内に過半を出資する現地法人を設立するケースのほか、最近は経営再建中の企業の支援を目的とした出資も見られたという。

業種別では「卸売業」が323社(52.%)でトップとなり、過半数を占めた。電気機器を筆頭に、食品や繊維関係の貿易会社が目立っている。これに、「サービス業」(136社)、「製造業」(69社)が続き、いずれも5年前に比べて3倍増となっている。

年商規模別では、「1億円以上10億円未満」が202社(構成比48.1%)でトップとなり、中国企業による日本企業への出資のほぼ半数はこれら中小企業となっている。

同社では、日本における中国企業の出資の動きは最近目立ってきているが、現時点で全体の数はそれほど多いとは言えないとしながら、今後は人民元切り上げに伴う中国の購買力向上などを通じて、中国企業による買収・資本参加が進む可能性はあると指摘している。

特に、国内外の投資ファンドの動きが以前に比べて停滞するなか、7月30日に予定されるレナウンの第三者割当増資を引き受ける山東如意科技集団のように、経営不振の日本企業の支援先として中国企業の存在感がさらに増すことが予想されている。

中国企業が出資する主な日本企業 資料:帝国データバンク

日本企業名 年売上高(百万円) 出資企業名 出資時期
レナウン 61,034 山東如意科技集団 2010年7月(予定)
本間ゴルフ 11,384 マーライオンホールディングス 2010年6月
ラオックス 9,519 蘇寧電器集団 2009年8月
TLホールディングス(旧ターボリナックス) 94 China Satcom 2009年7月