アジア市場動向

アジア株式は全面的にリスク回避の動きが強まり、日本225種は9,300ポイントレベルまで下落。その後は、中国株式が下げ止まった影響から、下落幅を縮小させた。その中国株式だが、本日は上海、香港共に下落基調が継続していた。

一方、為替市場ではリスク回避による円高が進行し、ユーロ円は107円台まで下落、豪ドル円も何回か75.00のラインをトライする動きが見られたが、株式市場で下落幅が縮小すると、ショートカバーが断続的に入った。ただ、基調はリスク回避で変わらず、円買い優勢のまま欧州タイムを迎えつつある。

海外市況動向

アジアンタイムでも投資家のリスク回避姿勢は継続し、株式、商品共に下落幅を拡大させたことから、本日の欧米株式も上値の重い状況が継続しそうだ。

ただ、本日期日を迎える欧州中央銀行(ECB)による1年物オペで、1,000億ユーロ、もしくはそれ以上の資金不足となった場合、民間金融機関の資金ショートへの懸念が強まり、金融セクターでは更に売りが加速する可能性が出てくる。

また、欧州当局側はドイツ系金融機関の他、更に100行以上を対象にストレステスト行うことを明らかにしており、これに絡んだ再編の思惑が交錯する可能性も出てきやすい。また、リスクに敏感な鉱山株やエネルギー株の値動きも気になる。

本日は、リスク回避から原油市場は売り圧力が強まる一方、安全資産としての金は投資妙味が増している。昨日は資源株全体が金融株同様に売り圧力にさらされたが、本日のスポット金は高値圏でもみ合い、スポット銀もショートカバーが進行したことに加え、WTI8月限も75ドルミドル付近で下支えされていることから、値ごろ感の出てきた資源株で底堅い展開となれば、幾分か指数全体の下落を止める要因になる可能性が出てこよう。

また、為替市場では、ユーロと豪ドルの動きがやはり焦点となりそうだ。欧州債務問題が再び表舞台に出てきた以上、リスクのバロメーターとして注視する必要がある。下記チャートで現在までの6月高安をフィボナッチでみたところ、ちょうど50.00%レベルが意識されている。ここで反転するか更なる下落となるかは、やはり欧州債務問題の行方次第といったところか。

一方、豪ドルドルは0.85のラインを再びトライするか注目される。

また、経済指標に目を移せば、17:30には1Qの英GDPが発表される。確報値であることから、それほど市場を動かすとは考えにくいが、予想外に弱い内容となればリスク回避に敏感に反応し易い地合いであるため要注意だろう。

それはNYタイムでの経済指標にも言える。本日は21:15に6月のADP雇用統計、22:45に6月のシカゴ購買部協会景気指数が発表される。前者は雇用関連指標ということで注目されるが、後者は今週末の米雇用統計の参考値として雇用Indexにも目を配った方が良いだろう。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足