アジア市場動向

アジア株式市場は強弱まちまちの展開となった。日本225種は、欧州の財政赤字問題や米景気後退懸念の高まりにより、投資家のリスク回避姿勢が継続した。

その為替市場だが、円相場は総じて円高となる中、豪ドルは商品相場上昇の影響を受け、対ドル、対円で底堅い展開となった。ただ、全体的に円高基調だったため、午後に入ると徐々に上値が重くなった。

一方、他のストレートは、無難にG20をこなし目新しい材料もないことから、ボックスレンジの値動きが継続したまま欧州タイムへと入った。

海外市況動向

アジア株式市場は強弱まちまちの展開となるも、円相場は先週の流れを引き継ぎリスク回避の動きが継続している。注目されたG20を難なくこなし、アジアンタイムでは特に市場を動かすような材料もなかったことから、本日の欧州序盤も不安定な値動きとなる可能性がある。

欧州の債務問題では、引き続きCDS市場や格付け機関の動向が注目されると思われるが、来月1日には、再びスペイン国債の入札が控えている。まだ先とはいえ、G20後も投資家の目立ったリスクテイクが見られなければ、この件に関する憶測が飛び交い、株式やユーロを動かす可能性もあるため、頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれない。

また、米景気後退懸念により、米国経済のけん引役である国内消費が減少するのでは、との見方が一部で出ている。背景には住宅市場の低迷も絡んでいるようだが、これも投資家のリスク回避姿勢を強める可能性が高いため、米内需関連株の動きが気になるところ。

ただ、相場を下支え要因も出ている。不安視された米金融規制法案だが、焦点となっていたデリバティブ取引関連に関して、当初思われていたよりは緩和された方向で合意されたことから、金融機関の収益には影響を及ぼさないのではないか、との意見が市場では高まっている。このことは、今後の金融セクターの動向を占う上で重要だろう。

なぜなら、欧州債務問題が米国経済へも波及するとの懸念を表明した矢先の合意であるだけに、市場関係者の不安感を少しでも取り除く材料となりえるからである。このように市場を上下に動かす要因は揃っているため、基本はリスク回避を想定しながらも、指標結果によっては株式やユーロでどの程度ショートカバーが入るのか、この点をテクニカルと合わせ探っていくのがポイントとなりそうだ。

ユーロドル 日足

ウォール街株価指数 日足