米Googleが検索エンジンを軸にした音楽ダウンロードサービスを今年末にも提供し、2011年のオンラインサブスクリプション開始を目指した準備を進めている。米Wall Street Journalが6月21日(現地時間)に関係者からの話として伝えている。

WSJの報道によれば、これはGoogleによる音楽業界らとの交渉を知る人物からの話で、いまだその提案内容や契約の可否については不明だという。だがGoogleではWebだけでなく、Android端末で音楽サービスを提供することにも前向きな姿勢を示しており、まだ時間はかかるものの、サービス自体への取り組みは本気のようだ。

Googleは最近になり、検索結果の中で「iLike」や「Pandora」といったパートナー提携した企業のサービスを利用できるような仕組みを導入している。この点が専用の音楽ストアを提供する事業者との違いで、同社の新サービスもこうした連携を軸にしているものと考えられる。

目下の最大のライバルは米Appleが提供するiTunes Storeになるとみられるが、同社は昨年2009年12月に米Lala Mediaを買収しており、今年5月にLalaのサービスを閉鎖した。同社は現在、iTunes Storeのようなダウンロード型のサービスだけではなく、Web経由のストリーミングによる音楽配信も計画していると噂されている。現在建設中の巨大データセンターもこうしたサービス提供に活用されるとみられ、今後数年先の競合に向けて着々と両社の準備が進んでいることがうかがえる。