Texas Instruments(TI)は、同社の16ビットマイコン「MSP430 バリュー・ライン」向けの開発キットとして「LaunchPad(ローンチパッド)」を発表した。同キットは、MSP430バリュー・ラインを用いた設計に必要なハードウェア、ソフトウェアが揃ったこのオープンソースの開発キットで、参考価格4.3ドルで提供される。

16ビットマイコン「MSP430 バリュー・ライン」向け開発キット「LaunchPad(ローンチパッド)」

同開発キットは、開発者が直ちにMSP430バリュー・ラインの評価やプログラミング、デバッギングに使用できるため、試作や開発にかかる期間を短縮することが可能だ。また、開発者はプログラミング済みのマイコンをLaunchPadから外してカスタムボードに載せ替えたり、LaunchPad上にプラグインさせたままボード上の各種ボタンやLED、ブレークアウト・ピンを使用し外部コンポーネントとつなげたり、といった柔軟な使用を行うことが可能となっている。

さらに同開発キットは、MSP430バリュー・ラインの全製品に対応し、開発者は各種市場の設計要件の追加にも容易に対処することが可能。LaunchPadとMSP430バリュー・ラインマイコンを組み合わせることで、3Dアプリケーション、ゲーム・コントローラ、タッチ・センサ、煙/火災感知器、ワイヤレス・ネットワーク機器などのさまざまな用途に対し、包括的な開発環境を構築することができるようになる。加えてMSP430マイコンの全製品はコードの互換性が確保されているため、LaunchPadで開発したソリューションを、他のMSP430マイコンにシームレスに移行することができ、製品開発の拡張性を高めることが可能となっている。

DIPパッケージ用ターゲットソケットは最大20ピンまで対応しているほか、USB経由で電源供給できる統合エミュレータはフラッシュ・プログラミング、ファームウェア・デバッギング、シリアル通信が可能で、外部エミュレータが不要となっている。また、2つのMSP430バリュー・ラインデバイスが同梱されており、そのうち1つは10ビットA/Dコンバータ、コンパレータ、内部温度センサなどのオンチップ・ペリフェラルを使うデモ・ファームウェアがプログラム済みとなっている。