米Googleは6月22日(現地時間)、これまで招待制でユーザー数を制限していた音声コミュニケーション管理サービス「Google Voice」を米国で一般公開した。

Google Voiceはボイス版Gmailと呼べるようなオンラインサービスだ。ユーザーにはGoogle Voice番号とボイス用インボックスが提供される。この番号に固定電話や携帯電話を統合し、Webを通じてすべての音声コミュニケーションを1カ所で管理する。Google Voiceサービスを利用した北米内の通話は無料。国際電話もVoIPサービスと同等の価格でかけられる。またSMSやボイスメール、ボイスメールの翻訳、通話ブロック、通話録音など、様々なサービスが用意されている。

Gmailと共通するユーザーインターフェイスで音声コミュニケーションを管理する「Google Voice」

Googleは2007年にGrandCentral Communicationsを買収し、同社のサービスをGoogle Voiceとして強化してきた。GrandCentral時代からサービスは安定しており、アーリーアダプタから口コミで評判が広がっていた。音声コミュニケーションをWebで管理するようになれば、Googleは音声コミュニケーションに対してもGmailと同じように広告を提供できる。それにも関わらず、同社が長くGoogle Voiceの一般提供に踏み切らなかったのは、電話会社のビジネスに割り込むサービスとして警戒されたためだ。しかし近年、スマートフォンからVoIPアプリが利用可能になるなど音声コミュニケーションの幅が広がってきている。今回のGoogle Voiceの一般提供開始は、同サービスが受け入れられる環境が整ったとGoogleが判断した結果と考えられる。