6月13日、14日と2日連続で行われたMicrosoftのE3併設スペシャルイベントに続き、E3開催初日にあたる15日には、任天堂とSony Computer Entertainment America (SCEA)の製品発表イベントが開催された。本稿では、SCEAのイベントを動画を交えて紹介していこう。3D映像とモーションコントローラ「Move」に力を入れるソニーは、ゲーム業界でどのような戦略図を描いているのだろうか?

SCEAプレスカンファレンスの会場はロサンゼルス市内の「Shrine Auditorium」。10年前までアカデミー賞授賞式が行われていた由緒ある建物だ。ここに特設会場を用意してウェルカムパーティを開いている

歴史ある映画館で最新の3D技術をアピールするSCEA

SCEAのプレスカンファレンスが開催されたのは、米カリフォルニア州ロサンゼルス市内にあるShrine Auditoriumだ。E3会場からは若干離れているが、歴史的建造物として100年近い歴史がある由緒正しいもの。また、現在のKodak Thaterへの移転が行われるまで、2001年までアカデミー賞授賞式が開催されていた場所としても知られている。映画会社(Sony Pictures Entertainment)を傘下に抱えるソニーならではの開催地といえるだろう。

会場にたどり着いてまず気付くのは、中の劇場出口付近にある3Dメガネの回収箱だ。映画館によく行く人ならご存知だと思うが、最近の3D劇場入り口やチケットカウンターでは3Dメガネの配布を行っており、出口にこのような箱を設置し、メガネのリサイクル回収を行っている。案の定、今回のイベントのシアター入り口でもReal 3Dのメガネが配布されており、イベントの趣旨が自ずと理解できてくる。

シアター出口付近に3Dメガネの回収箱を発見。3D上映がメインになると思っていたら、案の定シアターへの入場時に3Dメガネを手渡された

SCEAのプレジデント兼CEOのJack Tretton氏の挨拶でスタートしたイベントは、PlayStationの過去の実績を振り返りつつ、このエコシステムの中でいかに3DやMoveといった新技術、PlayStation Networkといったオンラインサービス、強力なソフトウェアラインナップが活きてくるのかを2時間にわたって説明するものとなった。壇上に登場したソニー執行役でSCEIグループCEOの平井一夫氏は、同社Braviaや前出の映画コンテンツの数々を紹介しつつ、ソニーが技術からコンテンツまで3D経験を持つ唯一の会社である点を強調した。

Sony Computer Entertainment America (SCEA)のプレジデント兼CEOのJack Tretton氏

ソニー執行役でSCEIグループCEOの平井一夫氏。ソニーの3D技術への取り組みと、映画だけでなくゲームで3Dを表現するとどうなるかをPlayStationで示していくという

つい数時間前まで、会場にいる多くの記者は任天堂の発表会で「ニンテンドー3DS」を見て、実際に体験してきているため、こうした任天堂の新製品を牽制する考えもあるのだろう。すぐに3Dスクリーンでの『Killzone 3』のデモが開始され、映画ではなくゲームで3Dを体験するとどうなるかという、プレイステーション 3ならではのアピールを前面に押し出している。実際、3DSを除けば3D対応を前面プッシュするプラットフォームはプレイステーション 3しかないため(Xbox 360も対応可能だがアピールはしていない)、今後のラインナップの充実と3D対応TVの普及度合いによっては、このアドバンテージはかなりの武器となるだろう。

3Dゲームのサンプルを紹介。『Killzone 3』など多くのラインナップが紹介されたが、残念ながら普通のカメラでは画像が2重になった状態でほとんど内容がわからないため、今回は割愛させていただいた。なお、期待の新作『Gran Turismo 5』の発売日が正式に11月に設定された。延期に次ぐ延期を繰り返した同作だが、今度はきちんと予告通り発売されることを願う

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