Windows Internet Explorer 9

IT関連の仕事に従事していたり、家族や友人よりもPCが使えるという方であれば、一度はこんな経験をしたことがあるだろう。しばらく連絡をとっていなかった友人や、それほど親しくない友人から突然電話がかかってきて、「PCが壊れたみたいなんだけど、なんか知ってる?」だ。手助けすることは歓迎するとしても、実際に電話口のやりとりは困難をきわめることが多い。なぜなら、専門用語が通じないからだ。IEのことをインターネットと呼んだり、サイトのことをすべてYahoo!と呼んだりする。そこから説明するとなると、かなり長い時間がかかるし、相手のディスプレイを見ないことには解決できないことも多い。

特に「いきなり動かなくなった」系の相談は困る。本人には心当たりがないわけだが、いきなり動かなくなることはなくて、なにかの理由があるのは間違いのないところだ。本人は気にしていないのかもしれないが、ダイアログをポチポチ押しているうちに、何かのプラグインやアドンを追加した、といったのが事の真相だったりする。

Swathi Ganapathi氏がIE Diagnostics - IEBlogで同じようなシチュエーションを紹介しながら、そうした場合に使える機能「IE Diagnostics」を紹介している。現在開発が進められているIE9 PPに用意されている機能だが、興味深い機能なので取り上げておきたい。

IE9 PPのメニューから「Report Issue」「Run IE Diagnostics」を選択してIE Diagnosticsを起動

実際にIE Diagnosticsによって保存されるCABファイルに含められているデータXMLファイル

IE DiagnosticsはIE9およびWindowsに関係するアドオン、レジストリ設定、ネットワーク設定、イベント情報など、IE9の使用に関する収集可能な情報をまとめて提供する機能。収集したデータをCABファイルにまとめて保存でき、このデータを解析することで「なに」が問題の原因になっているのかを発見しやすくしてくれる。

記録されているイベントログ。クラッシュ情報などがわかる

クラッシュの原因になったアドオンを特定できる

ファイルの詳細情報

ゾーン設定の閲覧

今回のシナリオでいえば、友人や実家にはIE Diagnosticsのデータを保存してメールで自分に送信する方法を伝えることができれば、あとは送られてきたデータをチェックして問題を分析すればいいということになる。IE9 PPのIE Diagnosticsには保存したCABファイルのレビュー機能もついており、これを使うだけで簡単に原因の特定ができる。イベントログからAPPCRASHを探してきて、それを起こした原因のモジュールやプロセスをチェックすればいい。

これはヘルプデスクにも使えるが、WebアプリケーションやWebサイトのデバッグにも利用できる。また、Microsoftにバグ報告をするときにも利用できる。より詳しい情報を添付することで、問題の特定とバグの修正が実現しやすくなる。実際Microsoftは、IE9のバグ報告にはIE Diagnosticsを含めることを推奨している。